未完成集〜。
木田りも
見えないところで(未完)
小説。 見えないところで。(未完)
母の愛。
幼稚園の交換日記。わからないから聞く。
でも、いつの間にか大きくなる。
その過程、少しずつ変わっている間。
いつのまにか、の裏にあるコツコツという過程。
「不安なんです。」
彼女は言った。そりゃそうだ。前代未聞、未体験。初めてのこと。僕も不安だ。だけど止まることがない。ゲームみたいに一時停止もリセットもできない。その時、その瞬間がリアルな1秒を経て過ぎ去ってゆく。さっきから今までどれほど時間が経っただろう。手が進まない。どころか震えている。そんな様子を見てなんて声をかけていいかわからなくなってる。僕は無力なのか、なんて声をかければ良いのだろうか。わからないまま。時間が過ぎてゆく。
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「もうわかった、わかったから」と口癖のように僕は言う。母は、どんな時もしつこい。野菜も食べなきゃダメ、歯は磨いたのか、顔は洗ったのか、汚れついてる、顔汚い、目ヤニついてる(以下、だいぶ長いものを略す)など、無限に不満があるのではないかと思うくらいにしつこい。しつこさの神様に仕えているのかなんて思うくらいしつこい。そんなに言わなくたって分かってますよと、半分以上聞き流して家を出る。初デート。人生の中で自分が最も幸せなんじゃないかと思う瞬間。ふとした時に人を好きになり、ふとして付き合って、いつのまにかデートが決まった。もう、始まっている。
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何かから、抱き抱えられた。当時の記憶はないから感覚とか感触とかを頼りに感想を述べるんだけど、持ち上げられた。得体の知れないもののはずなのに、何故か安心感を感じる。包まれて守られて何かここにいていいと言われているような。ここにいていいということは、ここにいていいんだよってことだ。それを表現してもらえることのしあわせは計り知れない。
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