第3話 カルタゴ猛将、困る話

「なあーんでぞ!?なあーんで米が無いんぞ?」


 スーパーに米がない、誠に由々しき事態である。

 此れでは今晩の「かれーらいす」が食べられないではないか!!

 愕然とした。買いだめをしたはずだった。

 が、ケチケチ生活をしたが故か、米が、ない!


 紀元前183年にワシ、ハンニバル・バルカはおっちんだ。

 何の因果か日本とやらの「四国の高知がカルタゴそっくりじゃね?なんとなく!」っちゅーことで、そこに拠点を構えた!

 其処まではいい。


 も、ん、だ、い、は!


「だから言っただろう、あれほどと」

「ぐぬっ……!」


 スキピオ・アフリカヌス!コイツ迄、何でか蘇ってた事!!

 一緒に蘇らせた奴、馬鹿なの?アホなの?

 ワシ、ぜーんぜん、知らんからつい。


「これから第二のローマぶっ飛ばし人生セカンドライフだ!!やったあああ!!」


 って、「桂浜」とか言う場所で叫んだんやぞ?

 くっっそはずかしいわ!


 恥ずかしいから何か浜見てるでっかい「坂本さん」って人拝んできたった!!


 ついでにお手頃価格な家も買うたった!!

 やーいやーい!参ったか!スキピオ!

 ワシこー見えて、めっちゃ貯金カルタゴ時代の遺跡等が今現在進行形で発掘されてるからウハウハで史料価値があるあるもんねぇ!


 で、米よ!米!なあーんで「安価」のが無いの?しゃーなしに、奴に電話することにした。


「スキピオぉ……ワシの実家チュニス確か」

「実家に電話、ダメ、許さない」

「……お前何様だよ!!カーちゃんみたいな事いってんじゃねえーよ!!こちとら【かれーらいす】食えるか食えねえかの瀬戸際なんだよ!大体何でテメエと家まで一緒だよ!ふざけんなよ!!」

「あーも、ギャンギャンギャンギャンそう、吠えるな何でも食ってろ、ナン平たいパンでも」

「何でも!?ワシは犬か何かの扱いか!!秒で帰る、ちょっ!あーも、電話切られた!畜生!帰ったらぶっ飛ばしてやる!」


 一方、【カルタゴの猛将】さんち。

 山が見える、海も見える。

 丸で我が祖国イタリアのような場所が「島国のめっちゃ弩級の田舎」にもひっそりとありました。

 そこに住もうと思ったら、既にあの因縁のライバルがいたので、仕方なく三日ぐらい殴り合いした。


 というか、蘇らせた奴は馬鹿なのか?


 私が若かりしときだ。

「今からローマ滅ぼしに行くぜ!!イヤッフウウウウウウ!!」とか言ってたジジイは、世の中に一人ハンニバルおらんだろ!!


 スキピオ・アフリカヌスライバルと一緒に蘇らせる日本の「神様」は、アホの子なのか!?


 あー、パスタ食べたい。でも日本じゃあ高いんだよなあ。

 そもそも土壌的に育てられないしなあ。

(スキピオさんちは育ててます)


 ガックリと肩を落とす大スキピオは、更に一人で続けた。


 そんでもって奴の食生活理解出来ない。

 何で3食マッ◯とか正気なのか?

 胃袋どころか舌までバカなのか!?


 今夜の10時なのに腹へったから「かれーらいす」食うとか言い出すし!

 食べ盛りの年はお互いに過ぎてるだろ、そもそも!!


 帰ったら、健康面で説教してやる!!全く!!





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