獣心伝
そる
序章
出会いは森の中。
二人はとあるお尋ね者を探し、やって来ていた
va「居ねぇじゃねェか」
「またデマでも流されたんじゃねーか?」
lu「いや、確実な情報が有る」
「筋の通ったもののハズだ」
森は静かだ。
月がもっとも高い位置にある刻
こんな夜更けに物音など御法度である
少なくとも、夜行性の奴に捕まりたくないのなら
下手な行動などしないはずである。
(誰だ……私の眠りをさまたげるものは)
(あれは、なんだ?)
(狐と狼に視えるな)
鷹だ。
鷹の眼は夜でも、なお輝く
lu「また、日を改めるか?」
va「いーや、俺は腹が減って仕方がねぇ」
「さっさととっちめて飯にありつきてぇんだ」
グゴゴゴ……
「ちっ腹の虫が収まらねぇ」
「いっそのこと、呼んでやるか?」
「おーい!!『タカノメ』さんよォ!」
「ってなぁ!!」
(私のことだな)
(くだらない侵入者がきたみたい)
(全く、どうしよう……かなぁ)
声の主は、余りにも大きな声であったため
非常に目立つ。
不快指数も上がろうというもの
これは仕留めなくては駄目だ……!
カサッ
lu「……何か居るな?」
va「噂をすれば何とやら、ってやつかぁ」
スパッ
遮るかのようにvaの足下に何かが刺さる
lu「羽?」
次の瞬間
lu「ぐっ!!!」
va「どうした!!」
lu「背中に何か気配が……」
va「いや、ちげーぜ。ルブ」
「今近付かれた。……いや!」
「背中に何かが付いている」
「俺の足下のコレと、全く同じだ」
「こりゃ喧嘩を売られてる!」
lu「ヴァン、やるのか?」
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