第9話 進化し続ける力 ― 習慣化のその先へ
人生には、完成も終点もない。
いかに多くを学び、成し遂げたとしても、
人は常に変化し、問い続け、進化していく存在である。
第一の『7つの習慣』では、自己改善と人格の土台を築き、
第二の『7つの習慣』では、その基盤の上に「意味」と「遺産」を重ねた。
そして本章では、これらを統合し、さらに“変わり続ける自分”とともに生きる知恵を探る。
● 「習慣」は“終わり”ではなく、“始まり”である
多くの人が誤解する。「習慣を身につければ、人生は安定する」と。
だが、コヴィー博士が伝えたかったのはむしろ逆だ。
**習慣とは、変化し続けることを可能にする“器”**である。
柔軟性を持ち、自らを再設計し続けるために、習慣がある。
・新たな挑戦に出会ったとき
・価値観が揺さぶられる経験をしたとき
・世の中が激変したとき
そうした瞬間にこそ、「古い習慣を捨て、新しい習慣を育てる」
**“習慣の再創造”**が求められる。
● 成熟とは、「問い直し続ける勇気」
第二の7つの習慣における真のゴールは、
「答えを持つこと」ではない。
むしろ、問い続けることができる自分であり続けることだ。
・このままで本当にいいのか?
・変わるべきものは何か? 守るべきものは何か?
・今の自分は、昨日の自分よりも誠実に生きているか?
それは不安定で、終わりのない旅かもしれない。
しかし、そのプロセスこそが人を“真の成熟”へと導く。
● 「自分を磨き続ける」ことが、最大の貢献になる
人生の後半において、人は「他者への貢献」を強く意識し始める。
だが、貢献とは必ずしも、他者を支える行動だけではない。
“自分自身が輝き続けること”こそが、最大の贈り物となる。
・生涯、学び続けている姿勢
・年齢に抗うのではなく、しなやかに受け入れる強さ
・困難を前にしても、自分らしさを手放さない在り方
それらは、誰かにとっての「生きるヒント」となり、
未来への静かな希望になる。
● 習慣7:「今の自分を“磨く”時間を一日15分持つ」
今日から実践できる最後の習慣:
何かを磨く15分を、自分のために使う。
たとえば――
・読書をする
・日記を書く
・新しいスキルを学ぶ
・散歩しながら思考を整える
・心を整える瞑想や祈りをする
この15分が、自分の内面を深くし、
変化に柔軟な“再生力”を育ててくれる。
それが、自分と他者をより良い未来へ導く力となる。
エピローグ:第二の7つの習慣は、あなたの人生そのもの
第二の7つの習慣は、
すでに何かを達成してきたあなたが、
「これから何を大切にして生きるか」を問い直すための地図だ。
それは、これまでの成功に“意味”を与え、
これからの人生に“使命”を与えてくれる。
そして最も大切なのは、
これらの習慣を“覚えること”でも“完璧に実践すること”でもない。
「よりよく生きたい」と願う、あなたの気持ちこそが、
この習慣の根源であり、すべての出発点なのだ。
次は、あなた自身が“第8の習慣”を見つける番です。
『続・7つの習慣 ― 意義ある人生への選択』 湊 マチ @minatomachi
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