最終章 ひとつの魂

 澪は新たな世界に降り立っていた。

 そこにはまだ誰もいない、まっさらな始まりがあった。


 過去の記録も、痛みも、希望も、そのすべてが彼女の中にあった。


「ここから、もう一度始めよう」


 彼女は空を見上げた。

 その空には、星がない。だが、彼女の胸には千の星が輝いていた。


 澪は歩き出す。

 この星に、誰かがやって来るその日まで。

 記録を語るために。

 魂の意味を繋ぐために。


 彼女は、語り部となった。

 記録の継承者となった。


 ──これは、誰の魂にも宿る、ひとつの物語。


 そして、終わりではなく。


 はじまりの物語。

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千の星、ひとつの魂 @Mix-garage

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