第2話 夢の高校生か...

わたしは、もうすぐ高校生にになる。翔と同じ学校だった。春休みの間、暇だったので電子工作について勉強した。スパイ用の道具を作りたかったからだ。電子回路をマイコン(電子部品)を使いこなせるようになったところで、2つのガシェットを作ってみた。1つ目は「消しゴム型の盗聴器」。よく高校が使うであろうNONO消しゴムを改造して、2時間録音可能な機械を入れてみた。消しゴムの真ん中のところにスイッチが隠してあって、一回押すと録音開始になる。データは本体のMicroSDカードに保存されるという仕組みになっている。ものすごくうまくできたと思う。2つ目は、メガネ型カメラだ。これには、さすがの私でも作るのにとても苦戦した。どうやったら、こんな小さいメガネにカメラを搭載できるかとても考えた。結局、電池を搭載するのが難しくて30分しか使えないものになってしまった。将来工業系の就職先でもいいかもしれないな。

入学式前日、新しい高校の準備をしていると翔から電話がかかってきた

「優愛、もしかして高校でもスパイするの?」

「するにきまってるじゃん。もちろん、協力してくれるよね」

「ああ、もちろんだ」

「じゃあ、バイバイ」

最後に消しゴム盗聴器とメガネをカバンにしまって準備は完了した。


次の日、高校入学の日。

お決まりの校長の長い話を聞いて入学式が終わり、「では、皆さんまた明日」のところまで来た。その時、中学校の知り合いの優香が帰り際に話しかけてきた。

「結愛、お願いがあるんだけど」

「あー うん いいよ」

「実は、先生に私のスマホが没収されたんだ。」

「まだ、入学したばかりなんだけど...校則違反だからね」

「で、それを取り返してほしいんだけど、やってくれる?」

「分かった、ちょっと1日考えさせて」

「おねがいしまーす」

頭を整理しよう。優香が入学初日にスマホを持ってきて先生に没収された。それを、取り返してほしい、そういうわけだ。ついに、本格的なスパイの仕事だ。ワクワクしてきた。

家に帰り、まず翔に連絡した。そしたら、手伝ってくれるそうだ。作戦はこうだ、

1・優香のスマホの場所を把握する。

2・優香のスマホを没収した先生を翔が引き付ける。

3・先生の机のところに行って、こっそり回収する。

まぁ、ばれたら相当怒られるだろう。

次の日、私は優香のスマホの場所を把握するために先生の机のところを、先生がいないタイミングを見て確認した。

きっと、この引き出しの中にあるんだけど、まずい、どうやら鍵がかかっているようだ。最近では、先生の管理がだめなのせいで没収されたものが壊れて、裁判になるとか、どういう事情か知らないけど、鍵がかかっていた。どうしよう...これは、先生一人ひとりがいつも持っているカギを使わないと...

「先生から体育館のカギを開けるという理由でカギを借りればいいのか」

職員室までいって、忙しそうな先生に、

「先生、部活で体育館を使うので、鍵を貸してください」

「はい この鍵後で返してね」

「ありがとうございます」

鍵ゲット。急いで教室に向かった。先生の鍵のついた引き出しを開けたら、予想通り、優香のスマホがあった。しっかり回収して、鍵を閉めなおす。そして、私は体育館の鍵を開けに行った。


達成感に浸りながら、家に帰って翔に連絡した。

「ごめん、出番なかったね」

「だいじょうぶだよ」

「しっかりスマホ回収できたから安心して」

「ああ、それと新しい仕事の依頼が来たよ」

「えっそうなの 明日学校で教えて」

「OK」

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とあるスパイになりたい少女の物語 @omuretutu

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