『人生自動販売機』
やましん(テンパー)
『人生自動販売機』
最近、街中にたくさんの『人生自動販売機』が設置されるようになった。
設置しているのは、『人生省』である。
早い話し、これは、自らの命を売って、未払いの税金、社会保険料、各種借金の返済に当てる機械である。
人生を売るのだから、すべての借金が帳消しとなる、画期的なシステムである。
人体は、即座に分子に分解されて、どこかに電送されるのだが、その行き先は、誰も知らない。
実際に借金を払うのは、『地球人生クリーン委員会』という、非営利法人なのだが、この正体はよく解っていない。
宇宙生物の関係だろうと言われていた。
ただし、世界政府公認の機関だった。
地球は、すでに、スコルダトゥーラ星人に支配されていたのである。
その販売機に身を売ることは、『地上最大の献身』と呼ばれて、神聖なものとされ、葬儀は国葬として毎月世界各地で行われていた。
献身をした人の家族は、借金から一旦は開放されるが、しかし、新しい借金は、それとは別に、また、溜まり始める。
もちろん。お金持ちには、直接は縁がないのだが。
ここで、やましんは、ついに、諦めたのである。
自宅の近くに設置された自動販売機に、身を投げ入れたのだ!
だから、このおはなしは、この先はたぶん、代筆である、といわれている。
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地球科学士官シポク
『大統領。人体エネルギーが足りないと、スコルダトゥーラ政府が言ってきてます。あと、一億人分足りないと。』
地球大統領
『ぶ。むちゃくちゃ言うなあ。くじらさんは、もう絶滅寸前になったし、牛さんもほとんど取られてる。約束でら、人体は、可能な範囲でやる。むりは言わないら、としていたのにら、もう、30億人しかいないぞな。』
シポク
『あんなの、はなからトマトですよ。うっ、そー!』
地球大統領
『しかし、逆らっても無駄だな。あっちゅうまに、全滅する。圧倒的に力が違う。太陽系まるごと、くっちまうからな。』
シポク
『このさい、食ってもらいますか。』
地球大統領
『やるか?』
シポク
『どうなるかは、わかりませんが、地球に反ダークマター物質爆弾を仕掛けました。実験なし。予行演習なし。『ばーか。もうやめた。』と、宣言しましょう。もし、うまくゆけば、火星の植民地は生き残るでしょう。人類は、未来に羽ばたくのです。』
地球大統領
『やりたまえ。』
シポク
『あいあい。 〽️さらば、さらば、わが、地球よ。』
大統領
『へたくそだなあ。きみ。』
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地球大統領は、爆発の直前に、自動販売機に身を投げた。
シポクは、最後まで見届けていた。
スコルダトゥーラ星人は、地球を『甘く』みていたのである。彼らは全滅した。
人類は、火星に、約二億人ほどが 生き残ったのである。
火星は、第2の地球と呼ばれるようになったということである。
いまから、3億年ほど前の話しとされている。
『人生自動販売機』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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