本作は、人間と獣人が暮らす世界が舞台です。
人間は獣人を虐げ、その関係は良好とは言えません。
そんな世界で、両種族の平等という理想を抱いた王子クラウスと、彼を支えるべく日々心を砕く近衛騎士ルイーゼの物語が展開していきます。
謀略によって命を散らした主君を救うため、ルイーゼは魔女と取引して死に戻りの力を手に入れます。
悲劇的な物語でありながら、筆致はつねに淡々としていて、自害のシーンも、セーブデータをロードするかのような無感情さで過ぎ去っていきます。
主人公のルイーゼも、常にクールな女騎士の顔を崩しません。
しかしそれがむしろ、信頼していた相手の裏切りや、うまくいかない試行への苛立ち、救いたい相手の揺らがぬ高潔さへの憎悪、それらをおして先に進み続ける強い思慕を、これでもかと読者の胸に刻み込んできます。
足が折れても全力疾走を続けるような無茶な試行が、いったいどこに辿り着くのか。
ぜひぜひ最後まで読み進めていただき、一緒に情緒めちゃくちゃになりましょう!