第4話 らじお
ノックスというテンション高めなおっさんに、面倒を見てもらうこと数日。
今日はおっさんが趣味でやってるラジオ放送の手伝いをしていた。
使い込まれた機材に、うず高く積まれたCD。
···んん?ここってマソリアTVだよな。
TVなのにラジオ??
「昔はテレビ放送の設備も使えたらしいぜ?俺がガキの頃にはとっくにぶっ壊れてたけどな」
へえ〜···改名した方がいいんじゃね?
まあそれはさておき、ラジオ放送である。
本番、用意···3,2,······
『皆おはようさん。こちらはマソリアTVのノックス。元気にやってるかい?』
『それじゃあ早速、ご機嫌なモーニングミュージックを流すぜ······アカリ、CDセット』
多分その声も入っちゃってるぞ···と思いつつ、指定されたCDをボロいプレーヤーにセット。
軽快なJ-POPが流れる。
···いや日本の音楽かよ。
『どうだい皆、いい曲だろう?最近の俺はニホーンが好きでなあ···見事にハマっちまったのさ』
『それじゃあ次の曲行くぜっ』
この世界にも日本(ニホーン)は存在するらしい。
これは朗報だな。
ひょっとしたらまた日本食を食えるかもしれん。
コメ食いてー(ウ◯娘並感)
◆◆
『···ここまで聞いてくれてありがとよ!それじゃあまたなっ!』
大体1時間くらい続いた放送が終わった。
素人感はあるけど、凄く楽しそうだったな。
「手伝ってくれてありがとよ、アカリ」
「ノックス、さん。かっこいい」
「ええ?そうかぁ?」
ノックス=サンは草。
俺は忍殺語の使い手じゃないんだけど、どうにもこの幼女ボディだと口が回らん。
コミュ障ではない。断じて。
「にほん、好きなの?」
「好きだぜ。何年か前にニホーンの奴が取材に来て、ソイツがとにかくいい奴でなあ···いつか行ってみたいと思ってる」
「はえー···」
異世界にもそういう記者や作家っているのか。
多分ここは俺のいた現代世界にかなり近いんだろうな。そのうち日本人(仮)にも会ってみたい。
「アカリも···なんだ、ニホーンに知り合いとかは居るのか?」
「たぶん、いない」
だってここ異世界だし···。
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※アカリの顔は東洋系。
・高崎計
19✕✕年、日本に生まれる。
名門私立大学に在学中、ノンフィクション作家としてデビュー。
精力的に発展途上地域を飛び回り、旺盛な創作活動を行っている。
探検家としても名高く、文学だけでなく冒険関連の表彰も多い。
なんか偉い人とも仲良しらしい。
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