らぶ⭐︎とらいあんぐる with しすたーず! 〜美人で頼まれたら断れない義理の姉と、ブラコンで愛の重い妹との三角関係〜
徒然書
第一部:新しい家族編
第1話 犬に引きずられて出会う運命
三月にしては春の陽気が感じられ、暖かな日だった。今日は愛犬スノーの散歩日和だな、と思いながら家を出ようとすると妹のめいが俺を呼び止めた。
『あ、お兄ぃ。コンビニで新しく出てたポテチ買ってきてよ…あとコーラも』
「お前なぁ…それぐらい自分で行けよ」
『だって今狩りに行ってて手が離せないんだもん。いいじゃん、どうせスノーの散歩に行くんでしょ?』
「全くしょうがないやつだな…」
『えへへ…お兄ぃはやっぱり優しいよね。大好き。帰ってきたらチューしてあげる』
「はいはい。それじゃあ行ってくるから、留守番頼むな」
『あ、いってらっしゃいのキスは?』
これ以上構っていると本気で唇を奪われかねないので、そそくさと愛犬が待つ庭へと向かう。
俺、雪村晴人は愛犬のスノーを連れて家を出た。スノーも待ちわびていたようで、しっぽをブンブンと振っている。
いつも通り公園まで散歩しに行って、帰りにでも妹に頼まれたものを買って帰るか…。
妹のめいはいつも俺にベッタリだ。5年前に俺たちの母親が亡くなってから、父親も仕事で帰りが遅いため寂しがりの妹を俺がずっと面倒を見ていた。
今思うと、めいを構う事で俺も母さんを亡くした辛さを紛らわしていたのかもしれない。
俺はめいを甘やかした結果、俺にベッタリのブラコン妹が出来上がってしまった。でも兄馬鹿かもしれないが、めいは超絶可愛い。日本一、いや世界一可愛い。そんな妹に好かれて嬉しくないわけはない。
本人を前にあまり言ってしまうと調子に乗るというか、俺の貞操が危ないのでなるべく言わないようにしている。
…そんな事を考えながら散歩していると、目的地の公園が見えてきた。今日はグルッと一回りしたら帰るかな…そう思った瞬間。
「うっ、うおぉぉぉぉっっっ⁈すっ、スノー、いきなりそんな猛烈ダッシュを……!」
スノーはゴールデンレトリバー。まだまだヤンチャなお年頃…なんて言ってる場合じゃねえぇぇぇっっ!
「す、ストップ!止まれったら止まれ!飼い主を引き摺り回すなー!」
広めの公園を300m近く引き摺られただろうか。俺は日頃の運動不足を感じた。仕方ない…最終手段だ!俺は…愛犬に媚びた。
「す、スノーさん、帰ったら美味しい物あげる!だから頼むから止まってくれぇぇぇぇぇっっ!」
その切なる願いが届いたのか、偶々なのか?スノーはベンチの前でブレーキを掛けて、ピタッと止まる。俺は反動でおもいっきりコケた。
『だ、大丈夫ですか?』
俺に心配そうに声を掛けてくれたのは、可愛らしいチワワを連れた目を見張るほどの美人。
これが彼女との初めての出会いだった。
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※会話部分の補足
・「」での会話が男性
・『』での会話が女性
という分け方になっています。
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