陰キャとツンデレの異世界大作戦!

うんこ

第1話


昼下がりの曇天。高校生の俺、三上陽翔(みかみ はると)は、いつものように薄暗い部屋に引きこもり、ネット掲示板でアニメの議論を読んでいた。他人と関わるのが苦手で、自分の世界に閉じこもる生活。もちろん、クラスメイトからの評価なんて、「地味で話しかけづらい奴」が関の山だ。


「今日も平和だな……」


独り言をつぶやきながら、自慢のフィギュアコレクションを眺める。だが、その瞬間、部屋全体が眩い光に包まれ、俺の視界は真っ白になった。


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気がついたとき、目の前には見知らぬ景色が広がっていた。青空の下、草原が広がり、遠くには古城がそびえ立つ。「まさかこれ、異世界転生ってやつ?」頭をよぎる思いに戸惑いつつも、すぐ近くから聞こえる叫び声に気づく。


「きゃぁぁぁっ! こっちに来ないでぇ!」

振り返ると、そこには華奢で美しい魔法使いの少女がいた。長い銀髪が風に揺れ、紫のローブが彼女の魔法使いであることを示している。しかし、彼女の目の前には、凶暴そうな狼型モンスターが迫っていた。


「ちょっと! 何ボーっとしてるのよ! 助けなさいよ! …あんたが転生者なんでしょっ!」

少女の怒り交じりの声に、俺は完全に圧倒されていた。けれど、心の中でくすぶっていたヒーロー願望が、不思議な力に火をつけた。


「わ、わかったよ!でも、俺にできることなんて……」

そんな俺の手に突如として現れたのは、一本の光る剣。そして、それが運命を変える最初の一歩となった。


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エリスと名乗ったその少女は、俺にこう言い放った。

「陰キャ? …まぁいいわ。それより、私たちにはやるべきことが山ほどあるのよ! 早く行くわよ!」

言われるがまま、俺は彼女に引きずられるように冒険の旅へと巻き込まれていく。


だが、この旅はただの異世界ファンタジーでは終わらない。ツンデレ魔法使いと陰キャの俺が織りなす冒険、そこに隠された秘密と、予測不能の展開。果たして俺たちが選ぶ未来とは——?


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草原のど真ん中で、銀髪のツンデレ魔法使いエリスは叫んでいた。

「きゃああっ!早くあの狼を倒しなさいよ!」

その声に背中を押された俺、三上陽翔(みかみ はると)は、目の前の巨大な狼型モンスターを見据える。手に握られている光の剣。だけど正直、どうしたらいいかさっぱり分からない。


「いやいや、俺陰キャなんだけど!こんな状況初めてだし、どうしろって言うんだ!」

「文句ばっかり言わないで、戦いなさいよ!」

エリスが放った火炎魔法は、狼の毛先を焦がしただけで大したダメージを与えられなかった。モンスターの目が赤く光り、次の瞬間、彼女に向かって突進してくる。


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「くそっ、こうなったら……!」

俺の脳裏に流れたのは、部屋にこもってアニメを観ながらツッコミを入れていた日々。突然、俺の体中に電流のようなものが走り、頭の中に声が響いた。


《スキル「ツッコミ力999」発動しました》


「はああっ!?ツッコミ力って何だよ!」

すると、スキルの効果が顕在化し始めた。モンスターが大口を開けて吠えると同時に、俺は本能的に叫んだ。


「お前、歯磨けよ!その口臭、狼というよりドラゴン級だぞ!」


その瞬間、俺の声が爆発音のように響き渡り、モンスターが吹き飛ばされた。


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「ちょっ、何それ!?」エリスが驚いた顔で俺を見る。「ただの陰キャだと思ったら、意外とやるじゃない!」

「いや、俺だってこんなスキル初めて知ったんだけど?」


狼が倒れたあと、俺は彼女に助け起こされた。そして彼女は少しバツが悪そうに呟いた。

「ま…まあ、助けてくれてありがと。でも、別に感謝なんかしてないんだから!」

俺は苦笑いしながら答えた。「感謝はしろよ!それ、俺のスキルの唯一の効果なんだから!」


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その後、エリスから俺のスキルに関する情報を聞き出した。どうやら、このスキルは「言葉の力で状況をひっくり返す」という特性があるらしい。そして、その力を持つ俺は、異世界でも伝説的な存在——英雄の子孫と噂されているとか。


「……まさか、あの陰キャが伝説の人物だなんてね」

エリスは小さなため息をついた。「まあ、私もまだ見習いの身だし、しょうがないから協力してあげるわ。でも、あんたのせいで私の評判が下がるのは困るからね!」


「わかったよ、でも、ちゃんと助けてくれるんだよな?」

俺たちはお互いに小さな文句を言い合いながらも、不思議な信頼感を感じ始めていた。そして、冒険の幕が、ツンデレの彼女と陰キャの俺によって開かれるのだった——。


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