不老不死──時間が常に足りない私には魅力的に思えるけれど、読み進めるうちにそれが「永遠の孤独」でもあると気づかされました。
自分だけ取り残され、親しい人たちが次々と消えていく。それはもはや「祝福」ではなく、静かに降り続く雨のような呪いかもしれません。
雨の神様が200〜300歳と聞いて「若っ!」と思ってしまったのも事実ですが(笑)、その年齢でも「退屈」と「寂しさ」に苛まれる彼女に、どこか親近感がわきました。
ただでさえ、飼っていたウサギを失ったときに泣き崩れた自分にとって、「永遠に失うことの恐怖」を、少しだけ実感できた気がします。
でもそんな雨の日に、静かに差し込む非日常の出会い。
幸子と神様とのふれあいは、まるで曇天に差す一筋の光のようで、心にじんわり染みわたりました。
この物語が、雨の午後に読むにはぴったりの、しっとり優しい一編であることを心から伝えたいです。
✉️作者さんへのエール
霜月冬至さん、心に残る雨と写真の物語をありがとうございました。
静けさの中に確かに息づく感情のひだを、これからも丁寧に描き続けてください。次の作品も楽しみにしております!