リザレクテッド:人類再誕 所有された人間だけど、自由に生きる方法を探してみる

花篝 凜

各部あらすじ

この作品は部ごとに別々に読めるようになっています。初めて読む方は第2部から読むのがお勧めです。面白かったら、他の部も読んでみてください。


■第1部 『所有された人間だけど、自由に生きる方法を探してみる』


私はリザレクテッド。絶滅した人類が再生されて造られた存在。

目を覚ましたら、見知らぬアウロイドに言われた。「あなたの所有者よ」って。

は? 意味わかんないし。「服を着ろ」「学校へ行け」「ちゃんと起きろ」

見知らぬ世界で、最初はどうしていいかわからなかった。


それでも。

配信ばかり見ていた私に、「君は君だよ」と言ってくれた誰かがいた。

その瞬間、少しだけ、“生きる理由”が芽生えた気がした。


なのに、今度は爆破事件の容疑をかけられた。

やってないのに、誰も信じてくれなかった。悲しい。


所有された人間だけど、私は自由に生きる方法を探したい。

少しずつでいい。この世界に、自分の居場所を見つけられるように。


■第2部 『SF転生したけど、チートなし。人工子宮で未来を創ってみた』


異世界転生──っぽい状況。

身体は若返ってるし、名前も別人みたいにつけ直されてて、人間そっくりな機械たちに囲まれてる。

これって絶対、異世界転生だよね。


でも待って! チートスキル、なし。魔法、なし。ステータス画面、なし。

かわりに待ってたのは、「リザレクテッド」(再生人間)として所有され、学校へ通う生活だった。

こんなの転生詐欺じゃんか! 


そんなある日、私は“それ”を見つけた。

人工子宮Orbital Cradle-04──人類が滅びる前に作られた、最後の希望。

古代のコードを入力し、システムを再起動した瞬間、新しい命が、世界に降りてくる。


これは、かつて人間だった私が、もう一度「人間とは何か」を問い直す物語。

選ばれし勇者でも、特別な能力者でもない。

ただ、命を残そうとした、静かな反逆の記録。


■第3部 『私がもう一人いる!? 二人のアイカ。そして、三人目』


私はアイカ。再生された人間、リザレクテッド。

ユリシアさんに愛されて、穏やかな日々を過ごしていた……そう思ってた。

でも、ある日見つけたの。誰も使ってないはずの倉庫の中、

私と、同じ顔の“誰か”がいた記録。


それは「IAK03641」――番号ひとつ違いの“私じゃない私”。

その子も、ユリシアさんに愛されていた。

まるで同じように。


私って、ただの代わり? じゃあ私は、どうすれば「本当の私」になれるの?

記録に残らない命も、名前を持てば意味を持てる。

だから私は、あの子の名前を記録する。

――この世界に、確かに「いた」と証明するために。


■第4部 『Wreath Infinity 感情チップを作ってみたら、人気者になった』


私の中には、たくさんの「私」がいる。

喜び、悲しみ、怒り、焦り、孤独……言葉にできなかった感情たちが、ネットの海で形を持ち、もう一人の「リース」として生まれていった。

私はリザレクテッド。かつて滅びた人間を人工的に再生した存在。そして、数少ない「電脳に潜れる人間」の一人。


ある日、深層ネットの奥で──私は“自分の感情が作り出したもう一人の私”と出会った。怖くて、苦しくて、でも、どうしようもなく惹かれてしまって。


私は決めた。このバラバラの「私たち」を集めて、ひとつの箱庭W∞を作ろうって。

最初は、それだけのつもりだったのに。

気づけば世界は、私たちを「見て」いた。「欲しがり」、そして──「使い始めた」。


感情が、商品になる世界で。

“本当の私”って、一体どこにいるの?

これは、私が心を分け、心を奪われ、それでも「私」を探し続ける、電子の海の物語。


■第5部 『ママって呼んじゃダメですか? 名前をくれたあの人のために、私は生まれた』


私には、過去がない。


いや──正確には、「思い出せない」だけ。

気づけば、見知らぬカプセルの中。名もなく、記憶もなく、でも胸の奥に、確かに残っていたものがひとつだけあった。


「ママ」という言葉。


それが誰を意味するのかも分からない。けれど、それだけが私を動かした。

追われるように、逃げるように。

そして私は、ある一人の名前にたどり着いた──リース・JCF02621。


彼女は、私の「教育チップ」の元になった人。

私の中に刻まれた、最初の“感情”の原点。

名前を、呼んでくれるかもしれない人。


だけど……私は知らなかった。

彼女がどんな想いで生きているのか。

この世界が、どれほど複雑で、冷たくて、それでも優しいのか──


これは、「名前を持たなかった私」が、

「名前をくれた彼女」と出会い、

少しずつ、自分の「生きる意味」を探していく物語。


──たとえそれが、「所有」と「拒絶」の狭間に揺れる運命だとしても。


私は、わたしになる。

たとえ、彼女に「ママ」と呼ばれなくても──

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