3人でのお出かけ! 一時の休息 それでも彼女は、ツッコミ続ける パート2
スイーツ!スイーツ!スイーツパラダイス!
あたしたちはショッピングモール内のホテルレストランにやってきていた。
開放的なガラス張りの窓から陽光が差し込む、春の昼下がり。
ところ狭しと並ぶイチゴスイーツのビュッフェに、目移りしてしまう。
「わぁ〜、ケーキの上にハート型に切ったイチゴ〜! かーわーいーい〜」
「ふむ……この辺りをチョイスするか。抹茶もあるとは、中々わかっているな」
「2人ともー、時間限られてるから早めにねー。あっ、このチョコレートケーキ美味しそう……よそろっと」
三者三様、それぞれの好みでケーキを盛りつけ、席へと戻る。
「いやぁ〜、これは壮観ですにゃ〜」
「こういう機会でもないと中々食べられないからな……この企画に携わった方々に感謝して、食べねばなるまいね」
「そうね〜、そろそろいただきましょうか」
「「「いただきまーす」」」
「ん〜このイチゴ、おいし〜! 食べるの勿体ないくら〜い」
「この抹茶も中々……天野、あとでそっちもらっていいか?こっちの分も渡すから」
「あたしのもちょっとあげる。綾小路が食べてる抹茶も食べてみたいわ」
ワイワイと、スイーツに舌鼓を打つ3人。
「あら、天野、ほっぺにクリームついてるわよ?」
「あ、ホントだ〜」
「ちょっと待って。……よっと」
七瀬は天野の頬に付いたクリームをすくい、ペロリと食べた。
「な、七ちゃーん////」
「ん、美味しいわね〜」
頬を赤らめる天野に、ニカッと笑う七瀬。
――またしても、どこか遠くで何かが高まって崩れ落ちたような音がした気がした。
「ところでー、七ちゃんとあやちゃんは気になる男子とかいる〜?」
ふと、天野がそんな話題を投げかける。
「私は特にはいないな。この3人でいるのが楽しいから、というのもあるけど」
「……あたしはその手の話は論外よ……」
綾小路は少し考えたあと淡々と、
七瀬はうんざりした様子で即答。
「うーん、やっぱりこの3人で浮ついた話は、まだ先かぁ」
天野は苦笑しながら肩をすくめた。
「まあ、色恋沙汰というものは唐突に来るものだからな。今の私たちには無縁かもしれないが、満ち足りてるから問題ない」
「そんなのはまっぴらごめん被るわよ。あいつら、下心しかないんだから」
七瀬の頑なな物言いに、
「まー、七ちゃんはしょうがないかぁ〜。っと、スイーツ食べないと〜」
「スイーツ食べるのはいいが、ほどほどにな。食べすぎると太るぞ」
その瞬間、ケーキを口に運ぶ2人の手が止まった。
「いやいやいや、スイーツは別腹って言うし! 別腹だからカロリーはかからないってば〜ねぇ七ちゃん!」
「そ、そ、そうよっ。まだそんなの気にする年じゃないし! 食べられる時に食べておけって、古事記にも書いてあるわ!」
「いや、書いとらんが」
と、真顔で突っ込む綾小路であった。
なんだかんだで、スイーツを満喫し、笑顔いっぱいの3人だった。
「さて――次は、あそこに行きましょうか」
⸻
次回予告:
第6話パート3「映画でガクブル!?」
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