ダンジョンで鬼ごっこをしている人がいたので一緒にしたらバズった

たいおあげ

第1話 今日もゼロ

「はぁ……。今日もゼロっすかー。あー、ヤダヤダ。過疎配信すぎてヤダヤダ」



 説明しよう!


 俺は、何を隠そうダンジョン配信者をしているのだが、未だに人気ゼロ。閑古鳥も鳴いてますわー。シクシク。



 ダンジョンとはなんぞよーと思っているそこの君!

 いいだろう。説明してしんぜよう。


◇◇◇


 ある日、この世界にダンジョンというものが突如現れた。まぁ、漫画とかでよく出る、洞窟の中にモンスターやら宝箱がある、あれだよあれ。

 その当時、突如現れたダンジョンが何なのかわからない状況で、政府は対応に追われていたらしい。そんなわけで、無法地帯となったダンジョンに政府の目を盗んでは毎日のように挑戦する人が後を絶たなかった。すると死亡者も多くなっていく。

 だが、そんな状況が続こうとも挑戦者は後を絶たなかった。

 何故かというと、ダンジョン産の宝石やら食材を持ち帰った者がいたからだ。ダンジョン産のこれらは、品質が非常に高く、非常に高値で取引されたとか。

 そんなわけで、一攫千金をみた、勇者とかいてバカと読む者が続出したのでした。めでたしめでたし。


 それから50年弱。


 今では、ダンジョンに対する法律やら設備、防具、武器など何でも揃うようになり、死ぬ者は格段に減った。


 そうなれば、ダンジョンに新たな娯楽を求めるようになるだろう。それが、ダンジョン配信だ!

 ただダンジョンに潜ってる姿を垂れ流す人もいれば、ダンジョンで取ってきた物を紹介する人や、ダンジョン産の食材で飯テロする人だっている。ほんとにいろいろだ。


 ちなみに俺はただダンジョンに潜ってる姿を垂れ流す予定だった……そう、予定だった。そしてゆくゆくは、数百万人の登録者を抱えるダンジョン配信者に!

 なーんて、妄想は甚だしく打ち壊され、見るも無惨な登録者数2。

 あまりにも少ない。しかも、この2が、学校の友達なんだぜ? 笑えてくるぜ。HAHAHAHA


 だが、俺は諦めない!

 今日も、元気(?)に配信をしてる最中ってわけ。




◇◇◇



「やばいやばいやばい」



:おいおいどうすんだよ

:誰か通報しろよ

:したぞ!

:ナイス

:なんで、こいつがいんだよ……

:死○配信はここですかー笑

:空気読めよ

:誰か助けてくれよ!




◇◇◇



「さーて、見てる人もいないこの配信。悲しいかなぁ悲しいよね? ならばしかたない。下に潜れば良かろう」



 にーしても、下が騒がしいなぁ。


 という事で、降りてみれば鬼ごっこしてるではないか。楽しそうやねー。



「た、助けて!!」


「なんて?」



 離れすぎて聞こえないのでとりあえず近づいてみる事にした。



「助けて!」



 やだやだ。たかがでっかい虎じゃんか。この階くるなら倒せるでしょ? 助け求める必要ないじゃんか。しかし必死そうな顔をしてるな………ま、まさか迫真の演技で鬼ごっこしてるのか!? やるではないか。

 それに楽しそうやん!!!!

 よし、参加するか。



「俺もいーれて」


「は、はー!?!?」


「ん?」


「いやいやいやいや!!!! 何で助け求めるのに、平行して走るんですか!!」


「HAHAHAHA。君、面白いこと言うね。わかってるよ。何も言わなくても!」


「絶対誤解してる誤解してるから!」


「全部は言うな! わかってるから!」


「わかってないから助けて!」


「またまたー笑 鬼ごっこ中なんでしょ? そんな無粋な事しないから」


「いいから助けて!!」


「????」


「鬼ごっこ違う!!」


「????」


「襲われてる! オケイ?」


「つまり、こいつが倒せないの?」


「イエスイエス!!」


「HAHAHAHA。こ、こいつを!?」


「その腹立つ顔やめて!! ていうか助けろ!!」


「えー、でもこいつただの虎じゃんか」


「はあー!? なわけないじゃん!!」


「いやでも、ほら。お手」



 そう言ってお手をするように虎に圧をかけたら、お手をしてくれた。



「ほらほら、何も危害ないじゃ………あー!!!!」


「はぁ!? はぁ!? いや、え? は? いやでも、は?」


「しまった! 俺が鬼になってしまった……。よし、はいタッチ」


「????」


「どうたの? 君が鬼でしょ?」


「????」


「鬼ごっこ中でしょ?」


「????」


「????」



 この子が何したいのかわからない。

 お、カメラあるじゃん。手を振っとこ。



「ちょっと待って! 意味がわからない」


「俺も意味わからん。よし、意味がわからない事がわかったから、解散解散。じゃね」


「ちょっと待ってよ!!」


「えー、鬼ごっこしないんだったら暇だし下の階行きたいんだけど」


「はい?」


「ん?」


「下の階って言った?」


「うん」


「いやいやいやいや、おかしいって!! ソロで、下層に潜ろうなんて……いや、さっきの実力……実力? 実力か。実力的には問題ない……ないのかな????」



 何なんだろう。引き留められたと思ったら勝手に悩んで解決してる。頭おかしいのかな?

 ヤダヤダ。もう関わっちゃダメなやつだなこりゃあ。となればお暇させてもらうぜ! じゃあな!


 と、あの子から後ろから呼び止められはしたが無視して下の階へと降りていった。


 あ、そういえば名前聞いてなかった。



◇◇◇


「何なの!!!! ほんと何なの!!」


:何やあいつ

:頭おかしいのかな

:終始何言ってるのかわからなんかったw

:ありゃ、関わっちゃダメやつだろw

:ただ強かったな

:だな……まぁ、頭の方がな……

:話が通じんやつってほんまにおるんか

:あれはレベルが違うやろ

:いろんな意味でな

:あいつ何者なんや

:ただ一つ言えてる事は


「「「「「頭のおかしなやつ」」」」」



 みんなの考えてることが一致した瞬間だった。



 ちなみにあの凶暴な虎も状況について行けず、少年と少女を交互に見比べていたが、よくわからなかったのか悲しい顔をしながらどこかへと帰っていったのであった。



――――――――――――――――――――

初めましての方がいましたら初めまして!


思いつきで書いたので2話はまだ書いてません!


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