第21話
僕たちはほとんど5人でいるのが日課になっていた。
みんな帰宅部で学校が終わったあとは遊ぶ日もあり、とても楽しい日々を過ごしていた。
そんなある日の放課後。皆でこれから遊ぶ予定を立てて集合場所にいる時だった。
「はい。もしもし。」
相手は中央病院からだ。まさか…。
「…はい。すぐ行きます。」
ばあばが倒れるなんて…。
命に別状はないけど1週間は入院。
「…はい。すぐに行きます。」
色々と持っていかないと…。
「優。」
「あっ。翔、くん。」
「…どうした?半泣きだけど。」
「ばあば、倒れちゃったみたい…。」
「は、」
「い、今から病院行かないとだからさ、みんなに言っといて!ごめん!」
僕は目の前に来た翔くんに手を合わせて頼んだ。
「俺も行く。」
「え、いや。」
「俺も世話になったし。」
「いや、でも。」
「いやじゃないの。ほら。」
「ちょ、なんで僕が引っ張られてるの!」
「早く行ってやんなきゃだろ。ほら。」
「行く!一緒に行くって!だから引っ張んないでよ!」
「はいはい。みんなに連絡しとくから先行って持ち物整えて来い。」
「うん!ありがとう!」
翔くんは相変わらず優しい。
それにばあばもまだ生きてるんだ。泣いてちゃダメだ。
塵も積もれば山となる 藤 みより @Sa2614mmhh
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