第24話

「え!ここって、医者や財閥やら政治家の子供が通ってる有名なところだろ?」



絢斗はパンフレットを見ると、驚いた表情でパンフレットと私の顔を交互にみた。




「うん。実はね、本当はこの園は候補には入って無かったんだけど、私が幼稚園教諭を目指すきっかけをくれた先生が園長を努めてる所なの。ただ、中々求人もここ何年も出て無かったんだけど、今回たまたま出てて…。」



「だったら尚更挑戦しないとだな。」



「うーん。でもね、やっぱり有名な所だから倍率もすごいみたいで…。この先生、昔から沢山本を出しててファンが多いの。私も中学生の時に先生の本に出会ってからファンでね。幼稚園の先生になりたいって、その時に目標になったんだ。」



「まぁ、就活は球数撃てば…何て言われてるけど、本当に行きたいところに行けなきゃ意味ないからな。目的あるなら良い事だろ。頑張ってみな。」



絢斗は私を抱き寄せると「梨子なら大丈夫だ。」と励ましてくれた。

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