ウィッチハント・カーテンコール2 超支配的殺人事件

紙城境介

登場人物一覧&魔法全書

【登場人物一覧】


●ウェルナー・バンフィールド

 帝国騎士団に所属する騎士。16歳。階級は少聖騎士(少佐相当)。騎士学校を首席で卒業した者のみがなれる『聖騎士』で、常人の数倍の身体能力を持つ。

 二ヶ月前、ルドヴィカとともに帝国史上二回目の魔法殺人事件・パラドックス事件を解決する。

 疑うことを知らない、度を超えたお人好し。


●ルドヴィカ・ルカントーニ

 小柄な少女ながら、『魔女狩り女伯』の異名を取る魔法研究者。15歳。本職は義理の父親から引き継いだファーネラ地方の領主。

 卓抜した観察力を持ち、特に筆跡については一目で鑑別が可能。

 その能力と魔法研究者としての知識を使い、これまでにリーパー事件、パラドックス事件という、二つの魔法殺人事件を解決している。

 生活面は極めてずぼら。自室では裸に白衣という危うい格好で過ごしている。


●エルシリア・エルカーン

 最年少で上級異端審問官になった秀才。16歳。

『処刑劇場』におけるケレン味のある振る舞いと可憐な容姿から、アイドル的な人気を博している。

 ルドヴィカとは学院時代の同期で、幼馴染の間柄。

 もともとは気弱で人見知りな性格だったが、もう一人の幼馴染み、マリア・マッツカートが魔女の濡れ衣で処刑されたことをきっかけに、『真実を決める側にならなければならない』と異端審問官を志す。

 同じ経験をしながら異なる道を歩んだルドヴィカに、対抗心を超えた愛憎を燃やしている。


●イゾルデ・イングラシア

 四人しかいない特級異端審問官のひとり。

 エルシリアの異端審問官としての師匠であり、彼女に証拠の捏造や推理をでっち上げる技術を叩き込んだ。


●ヴィクトル・バンフィールド

 ウェルナーの兄。27歳。帝国騎士団所属で、階級は大聖騎士(大佐相当)。

 その実力は帝国騎士団でも随一。


●ジークフリート・ガブリエリ

 ウェルナーの友人。ゴツい名前の割に、トマトのような真ん丸な体型。

 交友関係がやたらと広く、情報通としてウェルナーに協力する。


●マリア・マッツカート

 ルドヴィカとエルシリアの幼馴染み。三人で『少女探偵団』を結成していた。

 10歳の頃、魔法殺人の濡れ衣を着せられて帰らぬ人となる。






【魔法全書】

 魔法とは、血によって継承される超常の力。

 常に長女にのみ宿るため、魔法を持つ者は魔女と呼ばれ、異端審問の対象となる。

 魔法全書には、この世に存在するとされる11種の魔法が記されている。

 


●魔法第零章〈パラドックス〉

 神すらも与り知らぬ外法の法。流るる水面が満ちるその時、此方と彼方が覆る。


●魔法第一章〈セイクリッド〉

 神より賜りし慈悲の法。剣に宿りしは聖域の血潮。


●魔法第二章〈リライト〉

 神の領域に踏み入る改竄の法。読まぬ者に横槍の権利はない。


●魔法第三章〈エターナル〉

 神に愛されし永劫の法。時に愛は鎖に似て、終わりと始まりを一つに繋ぐ。


●魔法第四章〈ノーフェイス〉

 神をも欺く変幻の法。人は元より顔など持たず、仮面と仮面のにらめっこ。


●魔法第五章〈オーサー〉

 神にも伍する創造の法。神は紙を滑る筆、運命は連ねられた文字。


●魔法第六章〈リーパー〉

 神すら殺す死神の法。命は触れれば崩れる張り子でしかない。


●魔法第七章〈ルーラー〉

 神を僭した支配の法。人為は偽り。故にこそ真。


●魔法第八章〈エレメント〉

 神を模した万象の法。森羅万象は五つの元素を循環する。


●魔法第九章〈サモン〉

 神をも恐れぬ越境の法。世界という額縁に何を飾るか。


●魔法第十章〈ネメシス〉

 神より預かりし断罪の法。唯一にして絶対の罪、それは死の強制。

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