会社を辞めたボクが、退職センターで盗まれたモノ

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 退職し、「氷河系退職センター」のおじさんが教えてくれたこと。ボクの気付かないうちに、あんなものを盗んでいくとは…

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

   ☆

まわりが、ほめてくれない。

 「君はなぜ、立場の弱い人を傷付ける」

 言われ、気に入らないので会社を退職。

 「ボクたちは、日本中で愛されたのに!」

 退職カウンセラーに相談すると、言う。

 「…最近、そういう子が増えましたね」

 はあ?

 「ご心配なく。努力社会の現実についていけない今の子の退職は、まちがえていません」

 あまり、うれしくない言い方だ。

 入社したころは、良かった。

 「どうか、うちの会社にきてください!」

 「新卒社員様?テーマパークはいかが?」

 入社式が終われば、パパやママ、じいじやばあばと記念写真。

 ああ、なつかしい…。

 そんな今日、すずしそうな相談所を発見。

 「氷河系退職センター」

 会社員時代、仕事中にデスクで動画配信を見て研究していたのを思い出し、建物の入口でダンスを踊ってみた。

 皆が、ボクから目をそらす。

 競争もなく楽勝世代なボクを、うらやましがっているのだ。

  1人のおじさんに、言ってやった。

 「退職踊りっす!辞めたければ、辞めて良いんですよね?どうせボクらは、既卒後 3年くらいは新卒扱いでしょ?どうせ来年も、うちにきてくださいって会社が言うでしょ!」

 言うと、おじさんは悲しそう。

 「俺たちシューショクヒョーガキ世代とかさ、本当に努力のできた人たちをどれだけ傷付ける言い方か、君にわかるか?さらば、うらやましい世代よ…」

 おじさんが去っていき、あるモノを盗まれたことに気付いたのだが…。

 「盗んでくださって、ありがとうございました」

 ボクは今、真面目にやり直している。


   (この話の意味)

ボクがやり直そうと思えたのは、おじさんにこれを盗まれたから。

 「立場の弱い人を傷付ける心」

 社会ではいやなことも多く、不満を解消したくもなる。

 でもボクは、ボクらは、立場の弱い人を傷付けることを言って解消してはならないんだ!

 「シューショクヒョーガキ世代」

 正直、その人たちのことは良くわからず。

 「本当に努力のできた人たちを、傷付ける?」

 良く、わからない。

 今からでも、知らなければ!

 ボクたちの世代は、まだ発展途上。

おじさん!

盗んでくれて、ありがとうございました!

 エモいなあ。

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