今の子にそれはダメだよ、ブラックなアンシャルさん?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 それは、まずいんじゃ…。「日本を救うためには、どうすれば良い?」今どき男子にやさしいアンシャルさんは、ホラーでした…

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

   ☆

ここは、20代の今どき男子が「今の子認知症」にかかるようになった、近未来の日本。

 同じ20代でも、女子はかからないのに。

 今の子認知症の患者を専門に扱う、施設の病室にて。

 「ボクはだれ?疲れた…」

 ぼやくのは、今年入社したばかりでもう辞めたという、今の子男子。

 施設にきたころ、彼は訴えた。

 「オレたちは、あまり努力をしてこなかった世代。社会についていけなくても、仕方がない!オンリーワン教育でオレたちを育てようとした、大人が悪い!」

 すると、専門医が一言。

 「被害妄想の、今の子病ですね」

 彼は、家と往復の日々を送ることになる。

 「もう、お家に帰る時間ですよ」

 今の子認知症患者を救う送迎スタッフ、アンシャルさんが言うと、彼は喜んで返答してきた。

 「ボク、帰ります!お家には、定時に帰ります!」

 未来は明るい。

 楽勝ルートの世代が、うらやましすぎる。

 あわてない、あわてない。

 ぽくぽく、チーン…。

 「努力をしても、やり直せない世代」

 「努力をしなくても、やり直せる世代」

 この差は、何?

 日本のリアルは、ホラー。

 「アンシャルさん?」

 「何です、施設長?」

 「あの今の子を、ゆっくり休ませてあげてください」

 「…かしこまりました」

 やさしいアンシャルさんは、声がけを欠かさない。

 「今の子世代の男子さん?お口をうるおして、もう寝ましょうか?」

 「…あんた、だ~れ?」

 「おや、症状の悪化で、俺のこともわからなくなりましたか。そんな子でも、君たちの世代は救ってもらえるんですね…。シューショクヒョーガキ世代の立場は、なし」

 「?」

 「さあ、休みましょうかね。ゆっくりと…」

 ポケーッと開かれた今の子世代の男子の口に、特製ジュースが流し込まれる。

 彼の寝顔は、安らかだった。


   (この話の意味)

やさしい、アンシャルさん。

 「日本を救え!今の子も、救え!このガキは今、症状が悪化して、俺がわからなくなっている。俺に何をされたのか、証言もできまい」

 やさしすぎて、やりすぎ。

 日本を救う方法は、今の子を殺すこと?

 「あのガキは、すべてがわからなくなっている。だから、オレは捕まらないのだ」

 エモいなあ。

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