しゃべりはじめた

 ある夜、霊は、うちにしゃべりはじめた。

 「こんにちわ〜、あ、こんばんわ〜」

って、やっぱり可愛い女の子の声。


 「おきてる?」

って聞くから

 「おきちゃったよ」

って答えてみた。


 「なんで、わたし、キミとしゃべってると思う?」


 「え?なんでかって?う〜ん、なんでだろう?わかんない」


 「それはね〜、やっぱり、やめた」


 「え〜、そこまで言っといて気になる〜」


 「じゃあ言うね〜、わたしね〜、キミとね〜、結婚するからなんだよ〜」


 「え〜、結婚するの〜?いつ〜?」


 「いつかは、わかんないよ」


 「どこで出会うの?」


 「それも、わかんないの」


 「なんだ〜、なにも、わかってないんだね〜」


 「そうなの、でも、きっと結婚するよ、それはわかる」


 「なんで、わかるの?」


 「さあ。なんでかな?」


 「もう〜、からかってるの〜?寝るからね〜。おやすみ〜」


 「おやすみ〜」


 「あ、そうだ、名前は?」


 「え?わたしの名前?それは言えないよ〜」


 「な〜んだ、じゃ寝るね」


 「ヒントは香る絵だよ」


 


 

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