自宅の庭にダンジョンが出来たんだが?

すぅの人。

プロローグ

 私、春日部春樹(かすかべはるき)が産まれた日、世界にダンジョンなるものが出現した。


 今から50年前となる、1975年7月21日の事だった。


 アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、中国、日本、ロシアの7つの国に数カ所、少ない国では1つ、多い国では7つのダンジョンが出現した。……らしい。

らしいって言うのは私が学生時代に授業で習った事なので実際に見たわけじゃないからだ。



 日本に限って言えば、当時の政府はイケイケドンドンな政治家が多く、自衛隊や有志を募りダンジョン探索を進めて行き、中から出現する化け物(後にモンスターと呼ばれる)を殺す事で獲られる皮や肉、骨といった素材を研究し、新たな素材を製造することに成功する。


 そして、モンスターの心臓近くにある不思議な鉱石(後に魔石と呼ばれる)からエネルギーを抽出する事に成功し、電気やガス、ガソリンに代わる新たなクリーンエネルギーとして、世界に貢献する事に成功した。


 蛇足として、この時期に原因は分からないが政治家や富裕層が大量に死んだらしい。


 ダンジョンに入り、モンスターを殺して素材や魔石を獲りに行く者を探索者と呼ぶようになり1つの職業として社会的に市民権を得る事に成功した。


 ただし、収入の幅はピンキリでサラリーマンの年収を超える者はほんの一握りの者たちだけであるので楽な仕事ではないのだろう。


 かく言う私も高校生の頃に一攫千金に憧れて探索者になったが、命のやり取りをするには安過ぎる報酬に心が折れて、真面目にサラリーマンへとなったものの1人だ。


 ちなみにこんな大人はこの世にごまんといる。


 さて、なぜ私がいきなりこんな大して面白くもない話をぶっ込んで来たのか?


 それは、朝起きて庭を見たら出来ていたのだ。








 ダンジョンが……

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