前世で敵同士だった僕たちは、転生した現世にてふたたび出会う――。
- ★★★ Excellent!!!
歴史好きの方も、またはそれほど明るくない方も『壇ノ浦の合戦』といえばピンとくるでしょう。
そう、かの有名な源平合戦。
源義経率いる源氏によって、平家一門は追い詰められた先の壇ノ浦にて海に沈みます。海の底にも都はあると信じて――。
冒頭の壇ノ浦の合戦から一転、現代の“僕”は一般の中学生として生活をしています。
前世の記憶のない状態の少年は、しかし荒れ狂う瀬戸内海で過去に因縁を持つ人物と遭遇するのですが――。
平氏側と源氏側で生まれ変わった少年たちの紡ぐふぁんたじぃ、もといファンタジーは、宿縁や少年らしい葛藤が丁寧に描かれています。
物語の重要なキーポイントである前世。
なにかと多感な時期である少年たちを苦悩させるのが、過去の因縁はなかなか厄介というもの。
現代《いま》を生きる少年たちが選んだものは?
そして、少年たちを見守っている人物の正体は?
過去と現代をつなぐ転生歴史ファンタジー。
そして、この物語を読んだら厳島に行きたくなる……かも??