気だるげ無自覚悪役令嬢は
ぽよくろ
第1話 日常
「お姉ちゃん聞いてよー!!月ロマのこのキャラがすっごいカッコよくてさぁ!!」
…また始まった
妹のゆいは2ヶ月前に発売された君と月夜のロマンスという恋愛シュミレーションゲームにドハマリしていて、毎日進み具合やキャラについて興奮気味に語ってくる
「めんどくさいからパス。そのお菓子ちょーだい」
いつも妹の部屋にはお菓子が大量にあるので小腹がすくとここに来る
「あーそれお姉ちゃんにって!また色んな人から手紙とかお菓子とか渡してくれーって言われたよーちゃんと自分の部屋持ってってよね」
…またか
何故かよく人から物や手紙を貰うけど、妹が入学してから増えた気がする
ちなみに私は高校3年生で、妹は1年生
「喋った事ないのにいつもなんでお菓子くれるんだろう。助かるけど」
「こんだけ異常にモテてて気づかないの病気だよお姉ちゃん」
「いや、あんたの方がモテてるよ。そのゲームやんなくても」
妹が入学してから可愛いと話題になっていたし、こんなオタクじゃなければきっと引く手数多だろうに
「こんな完璧な男、ゲームの中にしかいないもん!それにみてほら!この金髪!いかにも王子って感じじゃない?」
指さす画面には金髪蒼眼の甘い顔をしたイケメン
「楽しそうでなにより」
「やっぱり推しはルイス王子かなー」
…ほっとこ
これが私の日常
だった
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「いってきます」
その日は酷い雨で、家を出るのが億劫だった
妹は部活のために早く家を出ていて 1人で学校へ向かっていた
道路の真ん中に小さな黒いものを見つけて目を凝らすと、子猫がいた
「危ないっ!!」
車が迫る中、思わず走り出した
間に合わない…
猫をどうにか道路の外へ放り出し、気がついた時にはもう目の前に車が迫っていた
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