第3話

3.美奈子


15.、16、17と私の人生暗かったって歌があるらしいんだけどね(お母さんに教えてもらったの)。

私のその辺は結構ハッピー。

暗かったのは小学三年生から五年生くらい。

もうね!

なんで?って位、とにかく、私、いじめられっ子だったの。


学校が憂鬱で憂鬱で仕方がなかった。

学力は、まぁまぁ並の上くらいは取れてたと思うよ、我ながら。

あと今振り返ると、少し男子にモテてたの。

よく、こいつ智子が好きだってーとかからかわれた。

相合傘とかさ。

多分、それが気に食わなかったみたい。

誰にいじめられてたって?


それは、あいつ、長谷部美奈子!


なんか成長がちょっと早くて身体が大人びて生理なんかも早く来る子いるじゃん?

美奈子はまさにそれだった。

別に成績が特別良い訳でも、可愛い訳でもない。

自分に従順な下僕を見つけるのがとにかく上手くって…

数人でグループ作ってそのトップに君臨してた女王美奈子。


いじめでメインだったのは、当時の流行たったベストテンごっこ。

これでコテンパンにやられました。

それは、名誉あるベストテンランキングではなくて、今週の嫌われっ子ランキング!


凄いでしょ?

10位とかならまだ、まし。


ドゥルドウルドゥルドウル……

今週も連続第1位は!

村上智子!(私の旧姓村上なの)


ってね。

毎週やられてた。


おまけに、私の声がキャンディボイスなのをいい事に、浜崎あゆみ歌えよ!とやんややんや。

私は、あゆ好きだったから振り真似して破れかぶれで歌う。

そしたら、


あゆ死ねー!カリスマ死ねー!

あはははは


って紙吹雪の代わりに鼻かんだティッシュを投げつけてくる。

頭くるより、チキンだった私は、ほんとしんどかった。


一緒にいじめられてる子達と反逆でもすれば良かったよね、今思えば。

だけど、私たちベストテンランキング上位者は、次の1位にならないように、美奈子様に仕えるしかなかった。

気に入られるように、ビックリマンチョコのシール献上したりね…


五年生に上がると、いじめられっ子の中でも一番気の弱い、アトピー持ちのちびっ子、香きっかけで情勢は変わった、


だって美奈子は酷すぎる…

薫が新しいタータンチェックの巻きスカートを学校に履いてきたら、そのピンをまず外して、くるくるはがしちゃったの。

勿論、その場には女子しかいなかったけど。

(美奈子のイジメは女子だけのときだった)


そのスカートをハサミでジョキジョキしだして、気の弱い香は、膝から崩れ落ちて、泣き出した。


丁度そこに担任の典子先生が来て


あなたたちなにやってるの?って

村上さんなんか知ってる?


私はうつむくしか出来なかった。

そしたら香が咳切ったように


美奈子ちゃんが!美奈子ちゃんが!


先生に泣きながら抱きついた。


そこから、美奈子グループのイジメ問題は明るみに出て。学校でも大問題になったみたい。

みーんな美奈子を腫れ物に触るようになった。

美奈子はただ不貞腐れてるだけ。

多分、本当に悪いと思ってなかったんだと思う。


だってね!

ほとぼりが覚めた6年生になった時、美奈子ときたら記憶喪失になった。とか虚言を言うようになった。

3年生から5年生の記憶がない、とか周りに言うの。


私、心からずっこけた。

ズコーって。

私が美奈子のことどう思ってるか?って?

もちろん嫌いに決まってるじゃない。


20歳過ぎてFacebookが流行ってた頃、友達申請来てつくづく思った。


あなたの神経どーなってるの???ってね。


まぁそんな小学校時代だった。

いじめ一色だったから。ほんと、私の人生暗かったわ〜!

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