5日目
今日も日記を書くために机へと向かう。思い出すのは地獄の日々ととある気持ち。学校にいる時はずっと感じる奇異の目と軽蔑の目。目が合えば慌てたように目線を外し、どこかへと逃げていく女の子たち。ニヤニヤと見ては私の持ち物を捨てたり汚していく男の子たち。そして皆遠くでこう言うのだ。
「化け物だ」
化け物……か。言われ始めた時は凄くムカついたし悲しかった。ただ好きな人が女の子ということだけでそこまで言われないといけないのか。そう思っては化け物という人たちに嫌悪感を抱いた。しかし今となってはその言葉に心の底でひっそりと笑う。自分は化け物なのかもしれない。今日の事を思い出す。学校で私と目の合った女の子が急いで逃げてあの子の所に行ったのだ。そして私が聞こえる声量で話し始める。
「あんな気持ち悪い化け物に好かれるなんて災難だね」
私はその瞬間、身を焦がすほどの怒りを感じた。それは悪口を言われたことでも、好きという気持ちを馬鹿にされたことでもなかった。……ただ、あの子に話しかけていることに対して私は女の子に怒っていた。私はこのイジメがきっかけであの子と全く話せなくなったというのに。どうして今まで話したことがない貴方が軽々しくあの子に話しかけているの?立ち上がって女の子に詰め寄りたくなった。でもあの子は苦しそうに笑ってこう言ったのだ。
「本当に、なんでだろうね」
何が引き金になったかは正直分からない。それでも私はあの子の表情を見て、私の全てが崩れた。そんな事を思い出しながら日記を書いていく。そしてまたあの子の表情を思い出してどす黒い感情を感じた。私の想いはあの子にとって苦痛でしかなかったんだ。そう思ったら私の記憶の中であの子の表情が変わっていった。女の子に話しかけられたあの子は凄く笑顔で、私を見る目は皆と同じ化け物を見る目。あぁ、そうか。あの子は……。そう自覚すると自分が何か黒いものに覆われるような幻覚を見た。黒いものに覆われて、出てきた私。私の中には温かい恋の感情なんてなかった。突き刺すような苦しい愛おしさと、気が狂ってしまうような嫉妬心と独占欲。その事実にくつくつと笑う。ついに私は本当の化け物になったみたいだ。
目を開ける。今日は女の子が変わってしまった夢だ。ここに閉じ込められてから毎日見ている夢。一体誰の夢なんだろう。この館に住んでいた女の子の話なのだろうか。確証は持てない。それでも日記や学校でのいじめ、好きな人が合っている。もしかして女の子の気持ちが俺に夢を見させているのだろうか。それか俺の願望なのかも知れない。この変な夢に意味を持たせたいだけ?結局分からない。ため息をついてふと昨日のことを思い出して飛び起きる。そしてとある場所を見る。やはりいなかった。心臓が冷たくなる。俺は顔を手で覆って体を折った。何日経ってもこの感覚だけは慣れない。当たり前だ。こんな大切な友達が亡くなるという恐怖や絶望は毎度俺を襲ってくる。こんなの慣れるわけがないし、慣れたいとも思わない。それでもどうしてか今はその恐怖から逃げ出したい。これで四人目。ここにあったベッドだってこんなに少なくなかったし、こんな寝室が広いなんて思わなかった。漠然と平和だった時を思い出す。あの頃は本当に幸せだったんだな。大学の講義は面倒だし、レポートなんて滅んでしまえと何度もあいつらに文句を言って笑って暮らせていたんだ。皆でゲームをして、夜中まで遊んで、一緒の部屋で寝たんだ。幸せだって何度も思っていた。この幸せを失うのがこれほどまでに苦しい事なんて考えたことがなかった。……どうしてこんなことになったんだろうな。
「悠、大丈夫?」
誰かが俺の座っていたベッドに腰掛けた。少し沈んだ感覚と共に背中を撫でられる。大きくて優しいこの手はゆーさんだ。少しして震えた手が俺の腕を撫でた。これは優真だ。二人に気を遣わせてしまった。落ち着け。言われていたことだろ。深呼吸をする。そして昨日の夜のことを思い出す。智哉は昨日寝る直前に俺たちへ言った。
「きっと次は俺なんだと思います。だからその時は俺に構わないでいいので、皆でここから脱出することだけ考えていて欲しいです」
なぜ当たって欲しくないことばかり当たってしまうのだ。起きていたかった。起きていれば助けられる命があったかもしれないのに。でも一度寝転がってしまうと勝手に眠らされてしまう。何度も抗おうとした、しかしどれもが水泡に帰した。起きては絶望するばかり。構うな、なんて無茶言うなよ……。友達を失うことがどれだけ苦しいことか知っているだろ。それでも、あいつはきっといつまでもここにいればオカンみたいな言葉を言うのだろう。そんなことどうでもいいから、早く起き上がれって。あぁ、想像が付くな。他人ばかり気を遣って、自分のことは後回しなあいつ。何度あいつの世話をしたことか。もう一度深呼吸をして立ち上がる。顔を上げれば安心したような表情の二人。心配させたことを謝り立ち上がる。そして震えを隠している優真を支える。しかしゆーさんが変わってくれた。そうして三人であの眩しいほどに輝くあの部屋を目指して歩いて行く。向かっている間は静かだった。それでも前までの誰もが生きながら死んでいるかのような沈黙ではなく、しっかりと前を向いて歩いている沈黙だった。ついに曲がり角を視界に入れてごくりと喉が鳴った。もう一度深呼吸して曲がる。想像していた通りの姿がそこにはあった。拘束のお陰で立っているように見えるが、解いてしまえばきっと力なく床に倒れ込むのだろう。そう考えると歩くのを拒絶したくなる。――分かっていたはず、なんだけどな。ぐっと足に力を入れて智哉の近くまで歩いて行く。隼と同じだ。ふとそう思った。れーさんとりょーさんはどこか諦めや安らぎを感じるような笑みをしていた。だが隼と智哉はどちらかと言えば悲しそうにしているのだ。どうして表情が違うのだろう。安らぎと諦め、悲しみ。ある意味対角線上にいるような言葉。それがどうして同時に存在しているのだ。智哉の頭に手を伸ばす。見た目からはあまり想像できない柔らかい髪を触る。時折触れる頭皮の冷たさに胸が締め付けられる。何も分からなくてごめんな。瞬きをして下に視線を落としていく。智哉に咲いた花はスイレン。
「信頼、清らかな心か……お前、いろんな人に信頼されてたもんな。清らかというよりは真っ直ぐで芯のある人間で、それがどこか清らかに見える時があるんだろうな」
お節介で、陰で努力をするタイプの人間。他人のことを手伝って自分のことも完璧にする智哉はどんな人にも信頼された。だからこそいろんな人に頼られて、自身が壊れる。それを清らかだと誰かが言うのだ。始めは怒りを露わにした。他者に強制された自己犠牲を清らかと表現するなと。でもあいつ自身がそうなんだと笑っていたから、俺は何も言わずにいた。白く輝く花に触れて少し撫でる。もう誰かに頼られて疲れることはなくなったんだな。お疲れ様。ゆっくり休んでくれ。そんな願いを込めて手を合わせた。頭を切り替えて優真たちを見る。手を合わせていた二人は目を開いて俺を見返した。三人だと分担をすると誰かが一人になる。だからこそ情報を集めるか、出口を探すかに決めなければならない。どうしようかと考えていれば、ゆーさんが少し圧のあるような笑みを浮かべた。一体どうしたのだろうか。
「少し、話したい事があるから着いてきてくれないかな」
その言葉はどちらかというと優真に向かって言われていたもののように感じた。もしかしてゆーさんは優真をどこか警戒してる?どうして。どこか警戒されていることを知ってか、優真は目を伏せながら小さく頷いた。そして静かなままゆーさんの後ろをついていく。俺たちが来たのは図書室。ゆーさんは迷いなく机の方まで歩き、ぽんぽんと机を叩いた。その視線は優真にあり、ここに座れと口外から伝えられていた。優真は叩かれていた場所へと座り、俺はいつもの癖で優真の隣に座ろうとするのを止める腕があった。
「悠はこっち」
言われるがままに座る。そうすると俺とゆーさんの前に優真がいることとなり、まるで優真を尋問するかのようだ。
「優真くん。俺は君を怖がらせたいわけでも傷つけたい訳でもない。それだけは分かってほしいな」
少し硬いが優しい声で話すゆーさん。しかし優真は下を向いてじっと膝の上においているであろう自身の手を眺めている。静かな時間が進む。
「俺は君に聞きたいことがあるんだ。……この館についてどう思っているか。優真くんの意見と声で聞かせて」
ゆーさんが俺と優真をわざと離れるように座らせたのは、まさかこのためか?優真は年上の人に意見を出すことはほぼない。文句や不満があってもそれでいいのだと飲み込んでしまう。俺はいつも優真の代わりになっていた。あいつの言いたいことを汲み取っては言葉にした。多分俺が優真を庇うと思っての行動だろう。これは邪魔できないと傍観する。そして優真は体を震わせながらも口を開いた。
「……っ、この館は悠達が読んだっていうお嬢様が鍵になっていると思います。彼女は恋をして独占欲や嫉妬を何度も経験をした。その結果、人をこの館に集めて殺しているのかなって思っています」
優真はゆーさんをちらりと見ては俯く。
「……、そう」
ゆーさんは立ち上がり、優真の方へと向かった。優真は固く目を瞑って何かに耐えるように体に力を入れる。ゆーさんは手を挙げた。俺はゆーさんが優真に暴力を振るうのではないかと考えて急いで立ち上がる。だが俺がゆーさんの手を止めるより前に、ゆーさんの手が優しく優真の頭に乗った。
「怖がらせてごめんね。あまり発言しない君をどこか疑っていたのかもしれない。勝手に疑って試してごめんね」
頭を撫でられた優真はぽかんとしていたが、また俯いた。表情は見えないが手を固く握りしめているのが見えた。疑われていたということに少し傷ついているのかもしれない。……少しホッとした。まさかだとは思ってはいたけれど、もしここで仲違いなんて起こしたら凄く大変なことになる。良かった。誰も置いていかれない。
「さて、探索と情報集め。どっちを重点的にする?」
優真を撫でた手を下ろして俺たちに問う。俺も冷静に考える。分担はできない。だからどちらかしか無理。俺たちの目的はここから出ること。ならば探索をすべきだ。しかし何度探しても見つからない出口。それが今日いきなり見つかる可能性は低い。そう考えると情報集めの方が何かを手に入れる可能性が高い。
「情報集めの方がいいんじゃない?」
りょーさんは意図的に情報を開示されていると言った。ということは出口も意図的に隠されていると考えてもいいだろう。それならばきっとこちらの方がいい。2人も賛成なようだ。早速本を探していくことになった。今まで寝た後に襲われていることから、昼間は1人でも問題はないだろうと決まった。そのため本棚を挟んで効率的に本を探すことへ。声は届かないので何かあれば走って逃げることを約束した。俺は本を探しながら少し考える。なぜゆーさんは優真を疑ったのだろうか。確かに優真が発言した回数は少ない。でもゆーさんはそれだけで疑うような人じゃない。多分何か引っかかることがあったのかも知れない。それにいつから優真を疑って……。記憶を遡ってみる。そういえば、今日からゆーさんは何かとおかしかった。俺が優真を支えようとしたのを代わっていた。身長的にも俺が運ぶ方がきっと楽だろうに。そして歩くときだって絶対に俺と優真を隣にしなかった。いつの時を思い出しても隣には優真じゃなくてゆーさんがいた。それら全て優真を警戒していたからと考えるとつじつまが合う。いや、結局ゆーさんが優真を疑った理由は判明していない。それに……。本棚越しからゆーさんの背中を見る。優真も、多分ゆーさん自身も気付いていないかも知れないが、まだゆーさんはどこか優真を警戒した動きを取る。俺と優真をまた離したのだ。その上、視界に優真が入るように動いている。どうしてそこまで警戒するのだ。その時一つの本が目に入る。手に取って読んでみるが、ただの推理小説のようだ。外れかと本棚に戻そうとしたとき、とある台詞が目に入った。
「犯人はこの中にいる……」
推理小説にはよくある台詞。もしかしてゆーさんは隼たちを殺した犯人が俺ら三人の中にいると思っているのか?俺はゆーさんと大体一緒にいた。八つ当たりだってゆーさんにしたし、されたこともある。だから俺を疑えない。それでそこまで発言していない優真を疑ったのだろうか。どれもこれも俺の推理でしかなくて、正解なんて分からない。どうしたものか……。
「悠」
名前を呼ばれて振り返る。そこにはゆーさんがいた。本棚の向こう側を見るがゆーさんはいない。こちらに移動してきたようだ。どうしたのかと聞けば優真が日記を見つけたらしい。周りを見渡すが見つけた本人は見当たらない。優真は先に机で待っているらしい。ほら、また無意識に優真を警戒している。そんなことは言わないまま、手に取っていた本を片付けて優真がいる机へと向かう。机へと行けば、日記を撫でる優真の姿があった。どうしてかその姿が似合っている気がした。なぜかは分からない。それでも元からここに住んでいた人、その日記をその席で書いている人のように見えたのだ。そんな疑問も置いておいて机へと向かう。優真、ゆーさん、俺の順番で席に座り、さっそく日記を読んでいく。一言目に娘が生まれたと書かれていたことから、きっとあのお嬢様と呼ばれる子の親だろう。次のページを開いて内容を読んでいく。
私の妻の家系は人間でないものが生まれるという話があった。妻の家系で長女が生まれた場合、その子どもは人間でないなにかになってしまう。妻から聞いた時はもちろん疑った。そしてどうせ噂だろうと二人で笑った。その話も忘れずに少し経ってから子どもを授かった。性別は女の子。背筋が凍った気がした。人間でないものが生まれてしまった。どうするべきかすぐに妻と話し合った。その間にいろいろ調べていって分かったことがあった。子どもはまだ人間のままらしい。だが感情も制御できない幼い時に独占欲や嫉妬などという暗い感情を爆発させた場合、人間でないものになってしまうらしい。ひとまず娘が普通の子どもで良かったと一安心した。その後妻と二人で決めたことがある。それを次のページに記す。
俺達は黙ったまま次のページを開く。
一つ目、子どもには最低限でしか会わないようにする。二つ目、子どもが16歳になった時すべてを話す。三つ目、感情が制御できるように関連する勉学をしてもらう。四つ目、子どもには友達や恋人というものを作ってはいけないと言い聞かせる。
この三つが果たせない時、娘は人間ではない何かになってしまう。もし娘が人間でなくなったら、独占欲や、嫉妬を育てた相手を全員殺してしまう。やむを得ない。娘を犯罪に手を染めさせないために、私たちは娘に会わないようにする。それがあの子を産んだ私たちの最大限の責任だ。
――言葉と文字はすごく硬くて冷たい印象だが、その中には子どもに対する愛情と慈しみをどこか感じた。自分の娘を人間でいさせるために、人間に関わらせないようにする。悲しかっただろうな。愛しているのに、娘に会えないなんて。それでも自身の子を犯罪者にさせないために、それを貫いた。ある意味最大の愛情による行動だろう。……でも娘さんには届かなかったんだよな。今日見た夢を思い出す。夢の女の子は娘さんなんだろうな。そして結局あの子は人間でないものになってしまった。親子の亀裂は埋められないまますべてが崩れていったのだ。
「今まで勝手にここにいる人達は悪なんだって思っていたけど、そんなことないのかもしれないね」
ゆーさんは悲しそうに目を細めて日記を読み返している。人間でいてほしかった両親と化け物になってしまったあの子。誰が悪いなんて分からない。制御しようとしたって感情はどこまでも正直で隠しきれないものだ。あの子は小学生だったのにな。あまりにもおもすぎる運命を背負わされていたのだ。
「それでも大体は見えてきたね。俺たちは人間でなくなった女の子によって閉じ込められて殺されている。問題はどうして俺たちが閉じ込められているのか」
ゆーさんは冷静に情報を整理する。俺たちを閉じ込めた理由。あの女の子の嫉妬の対象だったのか?その場合。女の子と同年代でないといけないから違う。やっぱり昨日言っていた独占欲や嫉妬心を抱えた人が閉じ込められた?それだとあの子に殺される必要性が見当たらない。……だめだ、やっぱりどれも違うように感じる。どれが正解なんだろう。
「もう……夜ですね」
窓を見れば確かに外は暗くなっている。もう時間はないというのに、どうして真相にたどり着けないのだ。悔しさで手を握る。それを心配そうに見つめる優真が視界に入った。そして俺達は静かに寝室へと戻る。その時優真を見て笑っていたゆーさんには気付かなかった。悔しさを滲ませながらベッドへと潜り込む。おやすみという言葉がどこか苦しいものに聞こえた。
何かに導かれるように目を開けた。そして俺は笑った。これで全てが分かった。もう俺にできることは何もないけれども。布団から出て悠の近くまで歩く。そして起こさないように、静かに頭を撫でる。少しして立ち上がり、あの場所へ足を進める。……色んなことがあったな。初めは何も分からなくてただ怖かった。その後次々に人が殺されてしまった。曲がり角を曲がる。夜だと言うのにキラキラとステンドグラスは光る。皆の姿を思い出す。俺は、どんな花が咲くのだろうか。これで疑いとか不信感とかの花が咲いたら悲しいな。静かな空間で小さく笑う。でも仕方ないよね。そうなるほどのことを俺はしたのだ。自分じゃない足音が鳴り響く。振り返れば黒いローブを着た想像通りの人がそこにいた。
「やっぱり……そうなるんだ」
想像通りだからだろうか、怖いという感情は出てこなかった。体をそちらに向けて笑いかける。すると彼はぐっと感情を押し殺したような表情をした。抵抗する気はないと呟けば、彼は歌を歌った。
「【かごめ かごめ かごのなかのとりは】」
蔦が伸びて俺の四肢を拘束する。あいつらと同じなんだなと冷静に考える。そして最後の歌の直前で止まった。
「最期の言葉とか聞いてくれるの?」
彼はゆっくりと頷いた。そして一言も聞き逃さないように息すらも殺して、俺の声に集中している。何を伝えようか。そう考えて一つの言葉が脳裏をよぎった。
「後悔してる?」
その質問に彼は体をビクリと震わせる。我ながら意地悪な質問だったなと笑う。俺はしっかりと彼の目を見る。そして静かに頷いた彼をみて全身の力を抜く。別に質問したからって何の意味もなかった。せめて後悔してなければ良いのにな、と被害者ながらに思っただけだ。静かに目を閉じる。
「【うしろのしょうめん だあれ】」
「じゃあね、優真くん」
目を閉じたままだから彼の表情は分からない。それでも悲しそうに笑う優真くんの姿が想像できてしまった。あぁ、やっとあいつらに会えるんだな。苦しかったなぁ。あの子だけ遺してしまうのが唯一の後悔だ。少しの衝撃と遠くなる意識に一つだけ願い事をした。……どうか、あの子は苦しむことがなければいいのに。
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