EP.3 雪兎
カランコロン
ベルが鳴った。
と同時に、僕はそちらを向いた。
…あぁやっぱり、そこにいた。
「…で、今回はどんな面白いこと?」
男とも女とも取れないその中性的な声で問うそいつの名前は
僕は答える。
「とある人が少し元気がないみたいなんだ。なんでか、調べてくれない?」
雪兎は「ふ〜ん」と興味なさそうに呟く。
「で、それがなんで面白そうだと思ったの?」
僕は知っている。
こう言う時、雪兎は大抵断る。
そして、
「…しいて言うなら、君の探し物が見つかるかもしれないから、かな」
「…!」
こう言えば、乗ってくれることも。
「…教えて」
僕は静かに言う。
「この依頼を受けてくれるならいいよ」
こう言えばきっと、乗ってくれるだろう。
「…絶対、裏切らないでよ」
「…!」
それはいつも、雪兎が依頼を
なら、僕はこう返すだけ。
「…もちろん」
さぁ、契約成立だ。
…もう後には戻れない。
…ごめんね、みんな。
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