「ふわぁ〜」

僕は大きくあくびをした。

昨日夜遅くまで起きていたのが祟ったのだろう。

見事に寝不足だ。

これは講義中に寝るかもしれないな、なんて思いつつ今日もフレンチトーストをかじる。

…ふと、そこにあった写真立ての写真の中、僕の隣に笑顔で写っている人物と目が合った。

「…」

久里（くり）。

僕の幼馴染だ。

ちょうど半年前、僕たちの元クラスメイトである土岐（とき）さんが自殺した件を調べに僕たちの母校である真城（しんじょう）中学校へ行った。

その際に発覚した事実が、今も僕の心を締め付けている。

「久里⋯」

僕はそっと呟く。

写真の中、久里の隣に写っている陽登（はると）。

陽登も同タイミングで土岐（とき）さんをいじめていた事実が発覚した。

今は2人揃って謹慎（きんしん）中だ。

…あれ、？

僕はふと思い出した。

あの時、校長は何と言った？

ーーー

『君たちには、半年間の謹慎処分を与える。しっかり反省するように』

ーーー

半年間。

校長はそう言ったはずだ。

半年前に、半年間の謹慎処分。

僕はカレンダーを見る。

今日の日付は10月15日。

ちょうど、あれから半年だった。

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