こんな異世界会社って…「罰金払えば、遅刻して良いですか?」

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 異世界クエストを紹介するこんな会社に、良い未来はきそうにない…とは思いませんか?

    (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

  ☆

「今の子?会社にいきたくなければ、辞めてしまえば良い」

 何となく続けていても、コスパもタイパもエネパも悪すぎる。

 辞めてしまえば、良いじゃないか。

 努力のできた世代からもらった金と仕事、返さなくて良いよ。

 がんばりすぎないで、待っていれば良いから。

 だれかが、何かしてくれる。

 そんな生き方に慣れてしまった人が競争社会に放り込まれたら、ついていけなくていやになるのも当たり前。

 もっとつらくなる前に、会社なんか早く辞めてしまえば良いんだ。

 それでも雇う会社は、学習ができないの?

 ここは、異世界クエストを紹介するおんぼろ会社。

 ところどころ、窓や壁がこわれている。

 「新入社員の子たちは、半分しかこない。また、遅刻か!」

 社長が、お怒り。

 「あの子たちから、会社辞めますってLINEがきましたよ」

 「ゴブリンな過保護世代どもめ!」

 「社長はドラゴンなのに?」

 「何か言ったか?」

 「そ、それより社長?」

「あ!会社の天井から、水がたれたぞ」

 「それです!リフォーム、しませんか?」 

「そんな金あるか!」

 「…」

 「話は戻りますが、人材不足だからって、今の子を優遇しすぎですよ」

 「ゴブリンとして、自覚が足りん」

 「社長?それ、先ほど言いましたよ?」

 「朝ミーティングも、欠席ばかり。せっかく、異世界茶も用意しているのに」

 「今度から、水にしますか?」

 「そういうことを言っているんじゃ、ないんだ!」

 「欠席の理由が、お母さんが起こしてくれなかったからって…」

 そこでついに、大切な朝ミーティングにこない今の子に罰金を課すようになった!

 「今の子たちからとった金を、うちの会社を修理するリフォーム代にする」

 良いアイデアだ。

 … 1年後。

 罰金で、会社のリフォームが完了。

 今の子たちは、喜んで遅刻してくるようになりましたとさ。


  (この話の意味)

 はしゃぐ、今の子たち。

 「ボクたちの力」

 「私たちのおかげ」

 「友だちパワーの勝ち」

 ふうん。

 「罰金で、会社がリフォームできた」

 それを、今の子はこう考えたらしい。

 「金さえ払えば、毎日遅刻して良いんだよね?」

 こんな会社に、良い未来はきそうにない。

 エモいなあ。

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