G

ぐらたん

愛は食なのです

「人に愛されるのではなく、人を愛する人へ」


 グラタン神が説く慈悲の教訓です。


 人は何を信じ、何に身を任せれば良いのか、分からなくなります。

 でも、恐れないでください。

 グラタン、そこに答えはありますよ。


 この物語の主人公はあなた

 どうぞ気の済むまで、共に過ごしましょう。


 ――時に、あなたは疲れていませんか?

 それは、体、心、そしてグラタン。


 社会や学園、人に揉まれ自分を殺し、よく頑張ってこられたのでしょう。


 耐えて耐えて、また耐えて、結局自分は何のために生きているのか、分からないこともあるでしょう。


 息を吸って吐いて、その繰り返しの意味を、何度も探し求めて来たことでしょう。


 恐れないで。

 世界にはグラタンがあります。


 目に見えぬ概念を信じることも良いでしょう。

 それだけを貫くことも、あなたの強みです。


 人の意見を素直に受け入れる事も、あなたの魅力の1つ。


 是があるなら非もまた然り。

 弱みがあるなら、強みもあるのです。


 ネガティブなことだってきっとあったでしょう。

 楽しいことばかりでなかったでしょう。

 自分を、隠してきたのでしょう。


 あなたはよく頑張りました。

 辛ったでしょう、寂しかったでしょう。

 どれだけ孤独と戦ったことでしょう。


 グラタン、答えを見つけるのです。

 あなたの中のグラタンを。


 あなたにしかない、グラタンを。


 居なくて良いことなんてないのです。

 あなたは居ていいのですよ。

 嫌われることもあります。


 言葉のナイフを突きつけられることもあります。


 たった1人の認めてくれる人に、なかなか出会えないこともあります。


 そんな時は、グラタンを食べるのです。

 世界はグラタンのようなもの、とはかの有名なカマンベール大佐も言っておられます。


 エビやチーズ、マカロニ、ホワイトソース、1つでも欠けたらグラタンにはなりません。


 あなたは材料いのちなのです。

 欠けていい訳がありません。


 いないと困る人が必ず居ます。

 あなたが、私が、必要なのです。


 いいですか、困った時はグラタンと言うのです。

 心の闇が、曇りが、穢れが、全部言葉に乗って出ていってくれます。


 もう、苦しまなくていいのですよ。

 あなたは十分頑張りました。


 自分を褒められなくても、私が味方であり続けます。

 あなたは少し悲観的になっている、その長い人生のタイミングにいるだけです。


 止まない雨は無いのです。


 人は人が思うほど、人のことを気にしていません。


 それでも、気が晴れない時は、1度全てを放り投げてみるのもよいでしょう。

 それは無責任ではなく選択肢です。


 人は自分で舵を取れます。

 海の上で船長が言ったからと、嵐の方向へ舵を取る必要はありません。


 頼りなさい。

 吐き出しなさい。

 毒は溜めてはいけません。

 出すのです。


 心の中でもいいのです。


 繰り返しでもいいのです。


 愛は、食なのです。


 食を満たせば、愛も満たせます。


 さあ、言うのです。


 グラタンと。





 ……。






 ……。






 言えましたか?


 もし言えたのであれば、あなたは1つ受け入れる事を得ましたよ。


 毒素が抜けました。

 おいしそうです。


 私の腕の中でお眠りなさい。

 目が覚めたらきっと、あなたは私にとっての、おいしいグラタンになっていますよ。


 ゆっくりと、眠りなさい。


 おやすみなさい。


 ……なさい。



 おやすみなさいおやすみなさい

 おやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさい













 おやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさいおやすみなさい。




 この物語は私の自慰。





 さあ、いらっしゃい。

 ワタシノグラタン。

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