探偵の再誕

アスタリスク

プロローグ 

 俺は1-4の自分のクラスの前に立った。

 一時間と少し前に訪れた所だ。

 だけどおかしい。

 ドアは出ていった時と同じようにちゃんとしまっていた。

 これがおかしいわけではない。

 先程来た時と違って、非常に良くないような、嫌な予感を感じるのだ。

 その予感を気の所為で済ませようとし、そしてドアの取っ手に指をかける、すると、その嫌な予感が一層強くなった。

 これを開けると大変な事になる。

 今思えば、ここが分岐点だったかもしれない。

「どうしたんだい? 君さっきから何か様子がおかしいようだけど。僕のせいかい?」

 さすがの彼女も俺がさっきから挙動不審なのを疑問を持ったようだ。

「芽生さん。なにか嫌な予感がするんです。この扉をあけたら大変な事が起こりそうな。そんな予感がするんです。」

「怖いのかい? なら一緒に開けてあげようか?」

「…………お願いします」

 彼女の提案を受け入れた俺達はドアの取っ手に手をかけて、二人同時にドアを開け……そして教室に二人で入った。

 それと同時に、俺達は教室の中の凄惨な光景に衝撃を受けた。

 教室に入ってまず見た光景。

 教室中央部で赤黒い色の澱みがっていた。

 そして、それの存在を認知すると鉄のような独特な匂いが鼻をついた。

 ………………血だ。しかも、結構時間経っている。

 俺はその発生源を探すべくあたりを見渡す。

 赤黒い澱みの発生場所は、教室の中央だった。

 そこは、きれいに並べて帰ったはずの机の整列が崩れていた。

 そして、赤黒い毛氈と整列が崩れた中心でうつ伏せに人が横になって倒れていた。

 眼の前で人が倒れてる。

 嫌な予感の正体はこれだったのか。

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