第33話

 プリムラと一緒にルナの部屋に入った。

 ルナが下着姿で待っていて即浄化を始める。


「な、なんでえ、淫紋は薄くなって、くう! 媚薬、効果が抜けて、何でこんなん感じて、あう! あん!」


 俺はマッサージをしているだけである。 

 そして下着部分には一切触れていない。

 もっと言うと白き叡智なる手は光魔法を物質化しただけのものなのでただの魔法マッサージだ。


 エロい事は何もしていない。

 これをエロいとか言うプリムラは脳内妄想が逞しいんだろうな。


 エロくないから!

 俺は今ルナに直接触れてすらいない。

 でも感覚は伝わってくるのでルナの肌が気持ちよくは感じる。


「おかし、おかしいのおおおおおおお!」


 ルナは自分のどこが弱点か気づいていない。

 でも俺は気づいた。

 ルナの弱点、それは目隠し状態からの不意打ちだ。


 淫紋と媚薬の浄化が進むほどに俺はルナのマッサージをした。

 その結果浄化で感度が下がるのに反比例して弱点を突けるようになった。


 なので「ここをマッサージしますね」とか言わず即マッサージをスタートする。

 それが不意打ちマッサージになる。


 そして初手で必ず白き叡智なる手で目隠しをする。

 更に意識を他に向ける事で不意打ち状態を誘っている。

 俺はルナと話をする、マッサージ店員ならこれが普通。

 そして会話に意識が言った所でルナを撫でると気持ちよさそうに仰け反る。

 この瞬間が好きだ。


「きゅきゅう(ラムザがマリンを連れて周りにいるモンスターを狩ってくれてるんだ)」

「モンスターを、それは素晴らしいいいいいいいいいいいいいいん!」


「きゅきゅう(ラムザはマリンの扱いが得意でね)」

「ふ、く! そ、そうなんですね、ほふぉお!」

「きゅきゅう(あれ? 適当に答えてない?)」


 白き叡智なる手のマッサージを少し弱めた。


「その、マッサージが良くて、うまく、あの、あああ、集中が、ふう!」

「きゅきゅう(ありがとう。嬉しいよ。マッサージだけでこんなに気持ちいいなら下着の中もマッサージしたらもっと良くなるよ)」


「下着は、まだ、その」

「きゅきゅう? (全部浄化せれると黒き月の逆時計は使えなくなりそうだけど、僕の言葉は分かりそうだね?)」


「は、はいいい、ふう! そう、ですうううううっく!」

「きゅきゅう(淫紋がかなり薄くなってきたよ)」

「はいい、おかげで、ふぉおおお!」


 俺は浄化のマッサージを続けた。



 ◇



 ルナが痙攣しながらベッドで横になる。


「お風呂に入れて着替えてきます」

「きゅきゅう(よろしくね)」


 浄化のマッサージ、楽しいわ。

 しかもこれ、大事なお勤めだから。



 ルナが眠りプリムラの頭に乗って部屋を出る。


「楽しいですか?」

「きゅきゅう(ルナを救う聖なる行いは楽しいね)」


「そうですか。私の時もそうですが、女性を性的な目で見て、私やルナが気持ちよくなると快感を感じていませんか?」

「きゅきゅう(考えすぎだよ)」


「ですが顔や仕草を見ているとそう見えます」

「きゅきゅう(白き叡智なる手で美少女を救うのはとても素晴らしい事だよ)」

「邪悪な魔力浄化のマッサージだけでいいものを、ルナがどうすれば気持ちよくなるかを狙いすますような動きに見えます」


「きゅきゅう(僕聖獣だからみんなの喜ぶ顔が見たいんだ)」

「女性をイカせるような快感に見えます」

「きゅきゅう(もう、しつこいなあ。僕は聖なる行いをしているだけだよ。叡智なる知識を使ってみんなを助ける、それだけなんだ)」


「そうですか」

「きゅきゅう? (ところで、たまには白き叡智なる手でプリムラをマッサージしたいんだけどどうかな?)」

「……分かりました。クエス様の為に体をお使いください」

「きゅきゅう(うん、行こうか)」


 プリムラと一緒に部屋に向かう。


「あら、クエス」

「きゅきゅう(久しぶりです)」


 俺はエリスの胸に抱き着いた。


「ふふふ、甘えん坊ね、可愛い」


 エリスが俺を撫でる。


「ルナの浄化は進んでる?」

「はい、徐々に淫紋は薄くなっています。お嬢様の周りに不審な点はありませんか?」

「私は大丈夫よ。兵士のみんなが厳しく目を光らせているわ」


「プリムラ」

「はい?」

「顔が赤いわよ? それにいつもよりも言葉数が多いわね」

「気のせいです」

「そうかしら、いえ、ええ、そうね。またね」

「はい」


 エリスが去って行った。


「すぐに部屋に入りましょう」

「きゅきゅう(プリムラの体が暖かくなってきた)」


 顔が真っ赤だ。

 プリムラは俺と一緒に部屋に入った。



 ◇



 プリムラが生まれたままの姿で子羊のように震える。

 そして汗で体中がてかてかと輝いて見える。


「きゅきゅう? (今日はもう一回ルナを浄化したいんだけど一緒に来れるかな?)」

「……はあ、はあ、はあ、はあ、30分、お時間を下さい」

「きゅきゅう(うん、少し休もうね)」



 30分後プリムラがルナの部屋をノックする。


「入って大丈夫ですよ」


 プリムラがドアを開けるとルナがローブを着ていた。


「あの、もし良ければ服を着たままでお願いしたいです」

「きゅきゅう(浄化の作用が弱くなる恐れがあるよ)」

「それなんですが、服を着たまま、服の中を全部マッサージしてもらうはダメですか?」


 服を着たまま。

 全部マッサージ……


 下着の中もマッサージしてOKだよね!

 OKすぎるだろ!


 今までを超えてきたね!

 白き叡智なる手で服の中を全部マッサージすればルナをもっと気持ちよく出来る。


「きゅきゅう(喜んで)」

「よかったです」

「きゅきゅう(プリムラは仕事で疲れているから座って休んでいて)」

「……では、失礼して」


 プリムラが座った。


「お仕事大変ですね」

「……え、ええ」


「きゅきゅう(始めようか、白き叡智なる手)」

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