年下addict

@takazo202

第1話【初見】

─どうしてこんなことになってしまったんだろう…












数日前に、私たちはヤってしまった。















頬の毛穴も、お腹のたるみも存分に気になる41歳の私は社歴15年のベテランだ。

後輩にも「大」を付けられてしまうほどの先輩で、いわゆる中間管理職である。


私にだって若い時はあった。

この仕事に女性は続かないと言われ続け、意地と根性だけで頑張ってきた。

後悔こそないが、そうこうしている間に気付いたら人生も折り返しに差し掛かっている。


彼は29歳。

私たちは同じ会社だけど支店が違う。

部署も違う。

業務で携わることは1ミリもない。



コロナ直前、まだ飲み会が盛んだった頃に支店を跨いだ飲みの集まりがあった。

うちの会社は平均年齢が若い。

私なんかは平均年齢の引き上げに加担しているほうだ。

若い子が多く集まる場が苦手な私は、そんなところに飛び込む人の気が知れず、行くのが億劫で色んな人に誘われてはのらりくらりお決まりの社交辞令を交わしていた。


世話になった支店長から名指しで呼ばれなければ絶対に行かなかったが…


仕方なしに重い腰を上げて参加した割りには楽しく飲んだと思う。


「煙草買いに行きますけど、要ります?」


屈託のない爽やかな笑顔を向ける。

特段イケメンでもないが、185cmの高身長にはやはり特別な魅力がある。


初めましての彼はノリが良くて、程よく気遣いが出来て、先輩に可愛がられそうな良い奴…といった印象。

ただそれ以上もそれ以下もなく、その時はそれっきりだった。

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