◆ ハイエルフ(High Elf)

◆ ハイエルフ(High Elf)

■ 呼称と立ち位置

正式種族名:ハイエルフ(High Elf)


(差別語):灰エルフ【灰エルフ/忌み名】


分類:エルフの第一始源。リュセノール王国より断絶した“神に最も近き種”


他エルフからの認識:「自然を穢し、精霊と一体化しすぎた異端者」「霊脈を焼き尽くした者たち」


■ 種族的特徴


項目 内容

寿命 1000年以上(実質的な不老。死亡は精霊と融合する形で起こる)

魔力適性 極限まで特化した精霊交信/幻惑魔術/歌唱系魔法/自然律操作

身体的特徴 白銀〜淡金髪/薄灰色に透けるような肌/瞳は夜光のように発光(精霊同調時)

精霊との関係 人格的に“精霊寄り”と化しており、共鳴が深すぎて精神的隔絶がある

精神性 極度に静寂を重んじ、無用な言葉を使わず歌と表情で語る傾向


■ 断絶の由来

かつてリュセノール深森王国において最も高位の存在であったハイエルフは、

“自然との完全同化”という究極の精霊契約を求めた結果、

禁忌とされる「大霊融合の儀(エン・セリア)」を実行。


これにより多くの聖域が枯渇し、霊脈が暴走。

以降、彼らは「灰エルフ」と呼ばれ、すべての正統エルフ社会から追放・記録抹消された。


■ 社会と行動原理


生活様式 森と共に移動する遊牧的集団。定住はしない

拠点 禁忌地内の霊場(霧花峡谷・銀糸林・風輪の泉など)を渡り歩く

移動時期 毎年 萌巡(ほうじゅん)──春の芽吹きの時、彼らは「居を移す」伝統を持つ

男性の不在 霊脈戦争の際、すべての男性ハイエルフが“精霊核保持の生贄”として命を落とした

社会構成 母系血統。族長=導き手(フィロス)によってまとめられ、上下関係はない

精霊との交信 会話というより“共鳴”を基本とし、歌と光で意志を伝達する


■ 信仰


信仰:女神アルテシミアは「遠き光」として形式的には知っているが、信仰は完全に失われている


信仰対象:森そのもの、精霊そのもの、あるいは「精霊と人のあいだにある無形」


■ 灰エルフの印象(外部から)


視点 認識

正統エルフ 「反逆の者たち」「血を汚した者」「存在してはならぬ者」

人族 「幻の存在」「希少種族」「高位種族」

〇〇〇派 「利用可能な異端」「人神の中間にある実験体」


■ 特記:精霊と“成る”存在

灰エルフの生涯の終わりは「死」ではなく「精霊への昇華」

身体は散り、森の一部へと“再構成”される。

これは禁忌の儀式ではなく彼女らの生き方そのものであり、

一部はすでに個体と呼べない“霧の歌声”として禁忌地の中に漂っている。






◆ 月環の矢(ルメナール)アルウェン率いる放浪の精霊守護集団。

補足設定:ハイエルフの男たちの死と「月環の矢」の構成理由


■ 過去の悲劇:霊脈の断絶戦(ルリオスの夜)*通称、霊脈戦争。

かつてリュセノール王国とハイエルフの間で起きた内戦──霊脈戦争において、

ハイエルフ側の男性たちは精霊契約の維持と“封歌術”の使用によって全員戦死または霊魂融合により「精霊化(消滅)」した。


以降、ハイエルフの社会は女性のみの母系集団へと再編成され、

特に《月環の矢》では戦死者たちを「霊矢(セリル)」として毎年祈念し続けている。


■ 組織構成の補足


名称 概要

月環の矢(ルメナール) アルウェン率いる放浪の精霊守護集団。全員が女性ハイエルフ

現在の人数 約18名

年齢層 見た目は若年だが、実年齢は200歳〜800歳級も存在

特徴 精霊との同調感度が高く、男性喪失以後は「完全なる静寂と母性」を柱に 生きる


言葉 通常は歌唱による精霊語のみ使用。人語も話せる。


なお、月環の矢以外にも放浪している集団は、他にも多数存在している。

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