異世界へと“逃げた者”ではなく、そこから取り残された側の視点に立つ物語。流行の救済構造をなぞるのではなく、その裏側に沈殿した怒りと断絶を掬い上げる。破壊を叫ぶ言葉の根には、見捨てられた現実への執着と、否定しきれぬ希求がある。本作は、やり直しの幻想を断ち切り、「ここに在ること」を強いる異色の反転譚だ。鋭い着眼点が光る改作と感じた。