第4話 気乗りしねぇが

俺はガレキの上に座りながら光学迷彩で身を隠しつつ、残りの体力で通常弾を量産中だ。


通常弾19発出来たわよ~


19発か、まあいい。レディ・アイ装填しろ。建物の残骸に隠れつつ狙撃だ。キッチリ仕留めろ。


19発 そうにゅ


ガン! 俺はとりあえずこの変態ロケットランチャーを殴っておく。


アン♡いきなり殴って来るなんて萌えちゃうじゃない


いいから狙撃モードだ。レディ・アイ、お前なら4人同時に狙えるだろう?


4人?面倒だから19人同時に狙っちゃう事も出来るわよ~


あいつらが引き返して来た時に弾がなかったらどうしようもないだろうが。


だったらクレイモア1つ作って埋めておけば~?


クレイモアで一気に吹っ飛ばすか…残ってる体力の殆どを使えば1つくらいは作れるな。自分を囮にするって作戦は気乗りしねぇがやる価値はあるか。

俺はコッソリと移動しつつ村の中を漁る。自分でやっておいて何だが結構見事な破壊の痕跡だ、食料もいい感じに吹っ飛んでいるが食べられないわけでもなさそうだから拾って食べる。


マスター、アタシもお腹へったぁ クレイモア作るのにちょっと材料足りないかも


まあ待て、こうして拾い食いしながら地道に回復させてるんだ。飲み物が欲しいが割れていないビンを探すのも一苦労だな。地下倉庫でもあれば奇跡的に割れていない瓶の1本くらい見つかるかも知れないが


アタシが探してあげようか~? たいえ じゃなかった、液体を探せばいいのね


お前最初なんて言おうとしたよ?とりあえず聞かなかった事にしてやるから早く探してくれ。


…見つけたわよぅ。あの少し大きめの建物の残骸の地下に倉庫があるっぽいわねぇ。


残ってる外見から判断すれば酒場か宿屋って所か。確かに地下倉庫があってもおかしくなさそうな所だ。いくらかパンを食べたため多少体力が回復している。今なら歩いて行けるな。

俺は隠れていた場所から堂々と歩きだす。

完全に周囲と同化出来るとかこの迷彩もかなりぶっ飛んだ技術だよな。あの博士がこれ使ってたら見つけられないんじゃねぇか?


それは大丈夫よ~。アタシには判るモノ。


変態同士何か通じるモンでもあるのか?


そうね~、波長が合うというかなんと言うか。まあ見えちゃうのよね。


などと恐ろしいくらいどうでもいい話をしながら建物に開いた穴から侵入する。カウンターの裏から少し奥まった所、そこで地下倉庫への入り口は見つかった。利便性を考えればこういう作りになるのだろう。

中に入ってみたがビンは殆ど割れており部屋が酒臭い。


あの棚にあるはずよ~ん


確かにレディ・アイの言う通り、棚に2本だけ割れていないビンがあったが蓋を開けてみなくてもなんとなく判る。これ酒だろ。42対1の捕まれば殺される鬼ごっこ中に酒か。チッ、飲める物がこれしかないなら飲むしかないか。


マスターが酔ってもタマさえあればアタシが全員殺ってあげるから思いっきり飲んじゃえば?


おそらくお前、弾じゃなくタマって言ったろ今。まあいい、飲むか。

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