色々と考察の余地があり、「こうなのかな?」、「いや、こうかな」と想像力を刺激される展開が楽しかったです。
「私」は「魔法のトランク」を捨てに行くことにする。
そのトランクは魔法の力により、様々な問題を解決。生き物の死すらなかったことにできるし、死ぬことすらない状態にまで変えてしまえるという。
魔法使いである兄はそれを使って巨万の富を得るが、「私」はトランクの正体を知る。それは絶対に悪い物だと感じ、山に捨てに行くことに。
その先の結末。「私」の身に何が起こったか。「トランク」とは何だったのか。これまで起こっていた展開が、どう変化してしまったか。
トランクの力を使えば「過去」を修正することだって可能。それらを加味していくと様々な解釈が可能になる。
読者一人一人が与えられた材料を使い、「最後の答え」を組み立てることも可能な作品だと思います。リドルストーリー的な「謎」に挑む、そんな楽しさを感じました。