REALITYの宝箱

AkitO

1 初恋

さよならって嫌いな言葉。


「また明日ね」いつも聞いてきた言葉はもう聞けない。


好きだった君の声。好きだった君の笑い方。


君の隣で感じた全ての「好き」を奪われた、さよなら。



桜の下で写真を撮る君は頬を染めて恥ずかしいと笑っていた。

2人で肩を寄せ合い、ピースサインをする。

写真に打刻される時間は11時52分。


君の隣で感じた全ての「時」を奪われた、さよなら。



さよならって嫌いな言葉。


でもね。


笑顔で、さよならを貰った時


嫌いな言葉が、少しだけ


少しだけ


好きになれた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る