Chapter10.5〜悪魔な彼女にはかなわない*髙嶋碧流目線〜
風花さんから離れないといけないような気がして、何となく遠くへ行きたいような気がして…彼女がまだ眠っている間に簡単に荷物をまとめると、家を出た。
特に行きたいところがある訳じゃないけれど、足が向くまま気が向くままに進んだ。
何も言わずに突然家を出たから、風花さんはどう思うだろうか?
でもいい意味でも悪い意味でも彼女はマイペースだから心配すらもしてくれなかったりして…と言うのは、ちょっと言い過ぎか。
さすがに起きてメッセージのひとつふたつはきているだろうと思ったけれど、
「きていないか…」
スマートフォンを確認した僕は息を吐くと、カバンの中に入れた。
風花さんらしいと言えば風花さんらしいな。
どこで感心しているんだと、我ながらそんなことを思って自嘲気味に笑った。
家を出てから1週間目を迎えたその日の朝、僕はカプセルホテルにいた。
枕元のスマートフォンが震えた音がしたので目を開けて確認をすると、風花さんからメッセージがきていた。
「ーーハハッ…」
それを読んだ僕は思わず笑ってしまった。
特におもしろいことが書いていた訳でもないのに、何故か笑ってしまった。
「帰ろうかな」
自分でもあっさりと出てきたので、また笑いそうになった。
結局のところ、僕は風花さんにかなわないらしい。
彼女を例えるとするならば“悪魔”になるのかも知れない。
そのつもりはないのに自然と彼女に引き寄せられて最後にはもうハマってしまうーー風花さんは悪魔みたいな人だ。
そんな悪魔に引き寄せられて恋に落ちてハマってしまった僕は、彼女に一生かなわないんだろうなと思った。
☆★END☆★
シークレットシスター〜Dance with the Devil〜 名古屋ゆりあ @yuriarhythm0214
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