人間なんとかやってしまうもんだ
@obanasusuki
清くなる
だから恐ろしいんだ。ふっと消える。みんなその日を待っているんだ。あるいは、消えたくないかもしれない。しかし、大方人間というものは感情、いや認知、存在がない方が楽だ。とすら思えないのだから消えた方がいい。オンの状態の奴らはオンなんだ。オフというものはないんだ。だってもう対比できないから。オンがないから。だから消えるのは一瞬なんだ。そこに何も挟まないんだ。しかし肉体は時間的にゆるやかに停止していくが、そんな哀れなことはない。幸福などない。しかし幻想はある。ここで幻想こそが幸福なのだ。認知の不具合。というか全く無謀な人間どもよ。私は驚く!私のこの「今」まで人間たちが突き進んできたことを!もういいだろう!とはならないのだ。なぜならエントロピーは増大するから。人間心理が一代によって終わることが功を奏して、なんと自殺しまくることなく済んでいる。記憶の抹消は素晴らしい!これこそが人間たる所以さ!持ち前の勘違い能力と全くの無記憶というものが私たちを助けて、死なせてくれない。ああ!同一体!同一体であったなら!あらゆる辛酸、絶望なめ尽くして、いや、時には何か見える時もあるだろう。しかし、未来の子供、いや同一体、自分を助けるために自らが消えるという選択はなかったのか!ああ、恨めしいよ!まだ何か知りたいことが!何かを知らないことが!
人間なんとかやってしまうもんだ @obanasusuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます