第5話への応援コメント
非常に読み応えがあり、かつ爽やかな物語でした。「川縁でなくて桜の下を歩きに来たんだなと感じる」、「柏餅を食べ忘れたこと」、この辺の営みはキャラクターが息をしている感じがして引き込まれました。
この小説を読みながら「結婚という形態はなぜ存在するのだろうか」と考えていまして。行政学的には無論「婚姻による扶養整備により、出産を奨励し、人口を確保する」ことなんでしょうけど、その概念より先に結婚という契約は存在していたはず(キリスト教圏だけでなく)。
雌雄一対の共同生活を法律が奨励し、保護する理由とは何なのか?そして、「愛の多様性」による現行の結婚制度の批評は正しいか?……と、それは政治の話になってしまうので軌道修正し、じゃあ。
例えば僕たちの言う「愛」というものが、多様性故にその姿かたちを容易に変えてしまうのなら?時に誰かを傷つけ、誰かを堕落させるために発芽したとき、僕は抽象観念としての「愛」を愛せるのか。果たしてその「愛」と呼ぶものを、万民は尊べるのだろうか。
愛が持つ価値を万民に保証するために「結婚」という枠が法で設けられているのではないか。在りて在るすべての愛を網羅しないが、必要最小限の愛の形を文章化したものが民法とすれば。
対人関係のみならず、「愛」が我々に命じ、働きかけているという構図に、人間側が整理整頓で応じるということ。清らかな愛の形に僕たち側が応じる、適切に拒む非情さを持ってこそ、丁度いいくらいなのかもしれない、、、。うーん、小説の内容と逆行して引き締められるのは僕の偏屈なところです。お許しください。
ラストの「はじめまして」はオシャレすぎて、もしも僕が主人公なら口から出てこないセリフです。美しい。オレンジジュースを一本開けようと思います。
作者からの返信
繕光橋さん、こんにちは。お読み下さりありがとうございました!
効率よく人口を確補したかったら、きっと一夫多妻が良いんでしょうね。どうしたって産む側の身体の造りが繊細なもので……などと考え込んでしまうご感想、ありがとうございました!楽しく拝見しました。
果たして「愛」とは何でしょうね。難しいお話です。とりあえず我らは愛を示すために、相手を慮り、悩み、浮かれ、消沈し、ほんの些細な何かに救われたりして過ごす……ような気がしています。そんな彼らのいつもの日常が祝福に包まれたら良いなと思って書きました。
「はじめまして」はオシャレでしたか。照れます。どうか美味しいオレンジジュースでありますよう願っております。
コメントありがとうございました!!
第5話への応援コメント
同棲していた恋人が実は結婚していたとか、愛人が急に会いに来るとか、なかなか複雑でドロドロしそうな展開なのに、淡々と静かに物語が進む様がすごく好きでした…!
香織さんは最後まで離婚しないのかと思っていたら、ちゃんと離婚に向けて動いていたんですね。ダイアナさんの妊娠が大きなきっかけになった感じでしょうか。
「はじめまして」のシーンもとてもグッときました!呼び方も香織さんに変わり、また新たな気持ちで関係を始められそうですね…!
そういえば、ちょこっと登場した同僚さんが何気に好きです(*´ω`*) ああいう気さくに話しかけてくれる存在って大切だよなぁとしみじみしちゃいました。面白かったです!
作者からの返信
浅川さん、こんにちは。お読み下さりありがとうございました!
何というか、こう……不器用で湿度の低い人達のお話になりました。
香織さんも離婚するつもりはないと言うか、必要性を感じないから放置していたんでしょうけど、子供が出来たとあっては別ですよね。まぁでも「子供にはたぶん、家族があった方が良いだろうなぁ」くらいの考えでしょうが。笑
「はじめまして」は自分でもお気に入りシーンなのでグッときて貰えて嬉しいです!
この同僚ちゃんは私も好きなキャラです〜。適度に世話焼きだし、距離感が良いし、きっと男にも女にもモテてそう。
楽しんで頂けて良かったです!コメントありがとうございました!!
第5話への応援コメント
季節の移ろいを感じさせるさりげない描写や、丁寧な日常の描写が、いつもながら心地よいです。同棲中のカップルの、いい感じの宅飲みから始まって、東城くんの悩みもそんな日常のちょっとしたスパイス程度で、たぶん問題ないと思った一話のラストでの美里さんの衝撃の発言。どうなることかと。でもそれほど深刻にもならず、日々を普通に過ごしていくので、だんだんと同棲中の彼女が結婚していることくらい、大したことではないように思えてきてしまいます。愛人の来日には驚きました。確かに東城くんの方が間男なんだけど、心情的にはシュースケの方がひどい男だと思います。現状維持のままずっとこの日常が続くのか、と思ったら、美里さんがきっちりと決断をしましたね。何やらホッとしました(笑)。その後の「はじめまして」のひと言。このシーン、とても好きです。
作者からの返信
@sakamonoさん、こんにちは。お読み下さりありがとうございました!
風光明媚な描写では@sakamonoさんにかなう気がしませんが……心地よく読んで貰えたなら嬉しいです。
このお話、書き終えた後になって書きたい部分はもっとあったな、もう少し書けるな、と思い直しているので……企画期間が過ぎたら魔改造したいと思ってます。
そして「はじめまして」のシーンは私も気に入っているので拾って頂けて嬉しいです!
コメントありがとうございました!!
第5話への応援コメント
『あちらこちらから配られるお土産の積み重なって、まるでクリスマスツリーの足元に並ぶ贈り物のようだ。』等の生活感が好きな話でした。主人公は同棲していた女性に、別居中の夫がいることを告げられる。ドロドロしそうなあらすじで、実際主人公はすごく悩んでいるのですが、作品自体はユーモアも交えてからりとした読み味があります。自分自身が同じ立場になるのは避けたいと思いながらも、風変わりな関係性にどこか引き込まれ、読んでいて不思議な心地よさを感じました。
それでも主人公の立場に立つと、離婚してほしいという思いが募り、そのため結末ではほっとした気持ちが湧き上がりました。人それぞれの幸せを感じ、そこに小さな祝福を感じました。
作者からの返信
お読み下さりありがとうございました!
歪な人間関係のうえにも、普通の日常を過ごすことは常に起きている事象で、そんな中に流れる時間みたいなものや辿り着く結末を書きたかったのですが……もう少し工夫が必要だったかなと、手のひらをじっと眺めたりしています。
主人公のことを心配して下さってありがとうございました! お話を読んだ感想を伺うにつけ、優しい人が多いんだなぁと実感する次第です。
コメントありがとうございました!
第5話への応援コメント
>消えないけど、消えないままで、それはそのままそこにあってね。だから、だんだんと受け入れるしかなくなるものなの。自分を守るために、その感情から手を離すしかなくなるのよ
わかるー!!ここの表現に拍手喝采です。「時間が解決する」なんて言い方もあると思いますが、自衛に努めたり前を向くために頑張ったからこそ今の自分があると思いたいじゃないですか。人間だもの(←?)
美里さんのような人とのお付き合いは他人事であれば即サヨナラ案件ですが、色恋ってやつはほんと当人同士にしかわからないもんですし、こういう関係もありか…?などとも思ってましたが、ちゃんと離婚に向けて動いてくれていてやっぱり安心しました(笑)
結婚するしないはどちらでもいいと思いますが、とにもかくにも香織さんと末永くお幸せに!
作者からの返信
わー、やったー!ありがとうございます……一箇所でも刺さる部分があったら幸せです……うう。しかもそこは、書き手の私もしみじみと書いたセリフなので……とても嬉しいです。受け取って貰えたんだなぁ。
不器用な人達の歪な関係や、収まりきらない感情なんかを書きたかったんですが、なかなか……もう少し書いても良かったかもですね。いや、逆に書き過ぎ……??
お話書くのは面白いなぁと改めて思いました。読んでくださって、優しいコメントまでかけて下さり、ありがとうございました!!
編集済
第5話への応援コメント
野村絽麻子さん、ご参加ありがとうございます!
純文学的なヒューマンドラマとしてめちゃくちゃ面白かったです。起伏の構成がめちゃくちゃ上手い、と唸りました。まず前提として、美里さんが実は既婚者だったことの発覚、ダイアナ・トチボリの襲来、という読者のあっと驚き慌てふためくような事件が二つも起こるんですよね。アイデアが天才的だと思いました。それだけでなく、アイデアの調理の仕方も巧みで、「こういうふうに着地していくんだあ」とベテランパイロットの操縦を見ているような気分になりましした。
作品における方向性が分かりやすいのも良かったです。
「例えばこのまま何処かへ行くことも出来なくはないんだな。」
このフレーズは二回目になると、一回目よりずっと前向きなかたちで語られます。物語を通して「僕」の周囲にどんな変化があったかがきれいに反映されていると思いました。
「僕」の振る舞いはかなり受動的で、美里さんが既婚であることを知らされても騒がず(本人のなかでは大事件であったとはいえ)、ダイアナ・トチボリが来ても女性二人が盛り上がっている様を側から見ているだけ。「かなりお人好し」というか、人並み外れて「お人好し」です。でも多分「僕」が大騒ぎしていたら話としての方向性や質感が変わるのであんまり動かせないだろうな、と思うところはあります。が、同時にそれが過度にネックにならないようなニュアンスのコントロールの上手さがある。美里さんの夫が出てこないことについても、まだ擦れる要素があるように思えますが、却って夫が出て来ないことで、本作の穏やかできれいな雰囲気が保たれているようにも思います。何だか、とてもバランス感覚に長けた作品だと思いました。
あと印象的だったのは、食事シーンの多さです。そして食べる描写より、料理そのものの描写が強いような傾向を感じました。食べる時間も楽しいんですけど、用意している時間だって、外食先で品物が並んでいく様を眺める時間だってそれに負けないくらい楽しい、とでも言うかのように。象徴としての食事みたいな性質が強いのかなと思いました。実際、「僕」は結婚したいわけではないけど結婚することに、なるのかなあ?くらいの感覚だったと思うんですけど、おいしいごはんって、円満な家庭のシンボルとして使われることが多々あるじゃないですか。ダイアナが訪れて以降、居酒屋などの「外」の食事が増えたり、物語のラストで主人公が二人の暮らすマンションに似たチョコレートを持って帰ったりするなど、象徴としての食事のラインナップがしっかりと組み立てれているように感じられて、面白かったです。
あと、そうした食事の描写や、季節の事物を散りばめた文章が、魅力的なカラーリングをしていたように思います。ゆるやかでのんびりした文体のリズムも相俟って、何だかパステルの絵の具で街を描いた風景画のような、そんな余韻のある小説だったように感じました。
それと、多分結末としては美里さんが離婚しないパターンにも持っていけたと思うんですけど、二人の関係を「……はじめまして」とまた新たな気持ちで始められるかたちに持っていったのは「祝福としての文学」としての明るさを意識してくださったのかなと思いました。こういったエピローグのサビみたいなところでそれに合った良いセリフが来ると、じーんと来るものがありますね。
素敵な作品をありがとうございます!
作者からの返信
藤田さん、素敵な企画を開催して下さり、ありがとうございました!
そして大変丁寧に、つぶさに読んで下さり、感謝と恐縮でいっぱいです。ありがとうございました。
一次創作をするようになって数年経ち、細々と書いてきたけれど、結局のところ私が好きなのは純文学というジャンルなんだなぁと改めて思いまして、今回のお話になりました。
純文学とは何かと考えた時、多くは人の営みを描くものであり、人の営みとはそれぞれがごく普通に暮らしているつもりでも外から見たらなかなか波乱に富んでいるもの、というイメージを持ちました。
食事やそれに準ずるシーンが多いのは私が好きなせいですが……食事や買い出し、注文に現れる生活のリズムや登場人物の気持ちや身体状態のニュアンスなどは、伝わりやすいように思っているからというのもあります。
大きめの起伏があって、それでも日常が途切れることはなくて、内面に色々と抱えたままの人達がカラフルな景色の中を淡々と泳ぐように暮らしていく様を書けていたら嬉しいです。
仰るとおり、「祝福」を意識したので明るい舵取りになりました。良いお話になったと思います。
重ね重ね、素敵な企画とコメントをありがとうございました!!