転生したら右手以外ゴーストだった件
ひより那
1章のあらすじ(1話~7話)
◆ 覚醒と異世界、そして最初の仲間
物語は、主人公・ユウト(
彼は通り魔から子供を庇って死んだはずだったが、なぜか思考は続いていた。そして、自分の体が半透明のゴーストと化していること、しかし右手だけが生身の感覚と実体を持っているという、極めて奇妙な状態にあることに気づく。
混乱するユウトの前に、右手に宿るという謎の存在ヴォイス・オブ・アビスが現れる(先生)。先生は、ユウトが異世界に転生したこと、そしてその右手には特殊な
霊廟には、解放されずに苦しむ無数の
◆ 霊廟脱出と最初の戦い
スキルを得たユウトは、先生の導きで霊廟からの脱出を図る。しかし、出口には霊廟の番人であるレイス・ガーディアンが待ち構えていた!
初めての本格的な戦闘に、ユウトは吸収したばかりの【盾防御】や【火球魔法】のスキルと先生のサポートを受けながら必死で戦い、辛くもこれを撃破する。
ようやく霊廟の外、「迷いの森」へと脱出したユウト。だが、そこで彼はゴーストの身に太陽光が致命的であることを身をもって知る。焼けるような痛みに耐えながら木陰に避難し、今後の行動に大きな制約があることを痛感する。
◆ プルプルとの出会い、守るべき者
森の中で途方に暮れるユウトは、プルプルと震える弱々しい青いプルルスライムの群れに出会う。彼らは、森の捕食者であるフォレストウルフに一方的に襲われ、蹂躙されていた。その光景にかつての自分や霊廟の魂たちの姿を重ねたユウトは危険を顧みずプルルルスライム彼らを守ることを決意する。
ゴーストという不利な状況、そして強力なフォレストウルフを相手に、ユウトは苦戦を強いられる。吸収したスキルも決定打とはならない。しかし、咄嗟の機転で【石つぶて】を目に命中させ、怯んだ一瞬の隙を突き、【渾身撃】と【魔力撃】を組み合わせた渾身の一撃で、ついにフォレストウルフを打ち破る。
◆ 仲間へのスキル付与
生き残ったのは、九匹の青いプルルスライム。ユウトは、彼らを見捨てず、共に生きていくことを決意する。そして、彼らがこの厳しい森で生き抜けるように、自身のもう一つの
先生の適性診断によってユウトは九匹それぞれに、保有するスキルの中から最適なもの(危険察知、運搬、硬質化、採集、消化促進、跳躍補助、擬態、粘着液、治癒促進)を選び付与していく。スキルを与えられたスライムたちは、その体色を鮮やかに変え、それぞれに個性と能力の萌芽を見せ始めた。
ユウトは、彼ら一匹一匹に「ワサビ」「ソーダ」「ガンテツ」「レモン」「オレンジ」「ベリー」「ミント」「ゴマ」「シオ」と名づけ彼らを単なる魔物ではなく、かけがえのない「家族」として受け入れる。
◆ 新たな「家」へ
個性を得た九匹のプルルスライムたちと共に、ユウトは安全に暮らせる「家」を探すため、迷いの森の探索を開始する。
プルルスライムたちは、付与されたスキルを活かし、索敵、障害物除去、運搬、食料調達などでユウトを助け、チームとして機能し始める。道中、他の危険な魔物との遭遇もあったが、彼らは連携してそれを乗り越えていく。
そして数日後、ワサビが隠された洞窟を発見する。中は広く、安全な水源と食料もあり、何より日光を避けられる。ユウトたちは、ここを新たな拠点と定め、安息の地を得たことに喜びを感じる。
◆ 拠点構築の始まり
ユウトとプルルスライムたちは、発見した洞窟を「家」とするための作業を開始する。入り口の補強、罠の設置(ゴマの粘着液など)、光苔による照明確保、水場の整備、食料(光苔)の栽培(レモン)、資材の整理(ソーダ)など、それぞれのスキルを活かし、協力して拠点の基礎を築いていく。
洞窟の奥にはまだ未知の領域が広がっており、先生も微かな魔力の残滓を感じ取っていたが、まずは安全な生活基盤を固めることが最優先だった。
こうして、ゴーストとして異世界に目覚めたユウトは、頼もしい九匹のプルルスライムたちという「家族」と共に、洞窟という「家」を手に入れ、この過酷な世界で生きていくための第一歩を踏み出したのだった。
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