昔の昔の物語
嶺。
第1話恋した恋した女の子
昔のお話。
ある立派な貴族のお家には夫婦が住んでいました。
その二人はある程度位の高い貴族だったので、ある程度働けばお金には困らない生活でした。
夫婦は二人では寂しいと感じ、赤ちゃんを作ることにしました。
一人目の赤ちゃんはツヤツヤのブロンドの髪に、透き通るような大きな青い目、白雪姫のような真っ白な肌。とってもきれいで可愛い女の子でした。
その子はどんどん大きくなりもう立派なお嬢さんになりました。
年齢を増すごとにその子の可愛さ、綺麗さが増していきました。
その子は言いました
私、おねぇちゃんになりたいなぁ~。ママ~私、妹が欲しいなぁ~。
夫婦は可愛い娘にぞっこんだったため、神に頼んで娘を貰う事にしました。
貰った娘はかわぁいいかわぁいい女の子。
ではなく
真っ黒な髪に、濃い色の肌、顔にはそばかす、お世辞でも可愛いとは言えない子でした。
さらにその子は、片方は黒の色の瞳、もう片方は白の色の瞳を持っていました。
夫婦はその子を悪魔の子と考え、屋根裏部屋に押し込んでしまいました。
この家族にはもともとこの娘はいなかった。かのように
女の子は悲しみました、生まれた時から狭い屋根裏部屋に閉じ込められて、日の光も満足に浴びれず、食事も余りもののようなものばかり。
さらに時々、”教育”と称してお父様、お母さまから殴られる。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、
吐きそうなほど、
お腹を、顔を、足を、背中を、ありとあらゆるところを。
でもお姉さまが止めてくれる。
可哀そうでしょう?やめて差し上げて。
と。
お父様、お母さまは
こんな悪魔の心配もできるだなんてなんて優しい子。
それに比べて、この悪魔は気持ち悪い。殴ってもらうことしか親孝行がないじゃ
ないか。いっそのこと死んでしまえばいいのに。
という。
女の子は下から聞こえてくる夫婦とお姉さんの楽しそうな話声を耳に入れないよう、手で耳を塞ぎました。
女の子は悲しみました。私は死んだほうがいいのかな?いらない存在なのかな?
女の子はその晩はずっと考えました。
しかし女の子に希望ができました。
屋根裏部屋の小さな窓から外が見えます。
女の子は窓から、感じのいい好青年が歩いているのを見ました。
その男の子は貴族で、この家との関係があるという事は服、行動からすぐに分かりました。
その日も女の子が男の子を見ていると。男の子が女の子に気づき、手を振ってくれました。
女の子は照れて照れて小さく手を振りました。男の子の笑った時に見える真っ白な歯は彼のチャームポイントです。
それから男の子と女の子は手を振ったり、ジェスチャーで会話したりしました。
2年以上、そうしているうちに女の子は男の子のことが好きになっていました。
もうどちらも立派なティーンエージャーです。
女の子は朝も昼も夜も彼のことをずっと考えていました。もしかしたら彼が私をここから助けてくれるかもしれない。二人で逃げ出せるかもしれない。
ある日男の子がジェスチャーで明日、この家の中に行くと伝えました。
女の子はどうしても彼に会いたくて会いたくて会いたくて
明日、男の子が家に入る瞬間を狙って、脱出することにしました。
女の子はワクワク顔で眠りにつきました。
次の日、女の子の目はこれ以上ないくらいに、勇気と恋の目をしていました。
女の子がドアノブを捻るとすんなりドアは開きました。いつもならしまっているはずなのに、ドアは壊してしまおうと思っていたのに。女の子は考えました。神様も私の味方をしているんだわ!
そう思って女の子は屋根裏部屋から飛び出し、階段を駆け下がりました。
一階まで降りると、男の子がいました。
男の子はにこにこしています。女の子は男の子に向かって走り、思い切りハグをしました。
女の子は大きな声で言いました。
この時よ!この時を待っていたんだわ!ああ、ありがとう。こんなわくわくして高揚した気持ちは初めてだわ!ああ、大好きよ!愛してる!
男の子はにこにこしました。
女の子は言いました。
さぁお父様たちが来る前に行きましょう!
男の子が口を開きました。
リリス!あなた一体何をしているの!?しかも、逃げ出したの!?
女の子は震え、後ろを見ました。
そこには憎たらしいほど綺麗な自分の姉、レベッカが驚いた顔で立っていました。
ああ、リリス。もしかして彼に恋をしてしまったの?
女の子は答えました。
ええ、お姉さま。私は彼が好きなの。私は逃げだしたいの。お願いお父様たちには内緒にしておいてください。
お姉さんは答えました。
ああ、リリス。まさかこんなことが。ごめんなさい。彼は私の婚約者でボーイフレンドなの。
女の子は絶望しました。信じたくありませんでした。
ねぇ、フィリップ!お願い、嘘だと言って!私たちは恋人でしょう?
男の子は言いました。
確かに君とは仲よくしたよ。だけども恋人といった覚えはない。僕たちは友達だし、君が逃げ出す手伝いもする気はないよ。
男の子は女の子お姉さんの隣に行き、腕を組みました。
僕はレベッカの婚約者だから。
女の子の希望はなくなりました。
ああ、どうして。どうしてなの?私は何かをしたかしら?何か悪いことをしたかしら?ねぇ、ねぇ、私何かした?なんでこんなことになるの?私は幸せになりたいだけなの。ねぇ、私は幸せにはなれないの?ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ!!!
女の子は狂ってしまいました。
騒ぎを駆け付けたお父さん、お母さんが来てしまいました。
ああ、リリス!生きているだけでも気持ちが悪いのに、まさかレベッカの婚約者にまで手を出すなんて!なんて最低な悪魔の娘なんだ!
もう怒ったぞ、拷問部屋で死ぬといい!!!
女の子はお父さんに引きづけられ地下の拷問部屋に連れていかれました。
女の子はそこではご飯ももらえず、一週間ずっと迷いこんだネズミやミミズやゴキブリを食べて何とか生きながらえていました。
女の子は悲しくて悲しくて悲しいのに泣く気力すらありませんでした。
女の子がぼーっとしているとコツコツと音が聞こえてきました。
誰?ああ、もう考える気力すらないわ。
女の子の前に現れたのはお姉さんでした。
女の子は希望と取り戻したかのように言いました。
ああ、お姉さま!来てくれたのね!私苦しいの、おなかが痛いのお願い、助けてっ。
お姉さんはにっこりとした顔で言いました。
ああ、リリス。それはとっても可愛そうね。でもごめんなさい助けられないわ。
女の子は言いました。
なんで?何でなのお姉さま?
お姉さんは言いました。
それはね、私があなたの絶望で震える顔がだぁぁい好きだからよ。
女の子は震えあがりました。
あら、リリス。そんな化け物を見るような目で見ないで。でも本当に大好きなの。
貴方を屋根裏部屋に閉じ込めようと話を進めたのも私。フィリップにあなたと仲良くするよう仕掛けたのも私、ドアを開けておいたのも私、お父様とお母さまを呼んできたのも私。
お姉さんはうっとりしたような表情で、死んだ目でいいました。
あなたのような醜女は私のような美人のおもちゃになるしか道はないのよ。私は醜女が何よりも嫌いで、醜女の絶望の表情が一番大好きなのよ。
女の子は恐ろしさで声も出ませんでした。
その表情もいいわぁ~。ああ、リリス。あなたは私の最高のおもちゃだったわ。好きな人に裏切られた気分はどうっ!?最後にその絶望の表情をもっと、もっとみせて!
その時、拷問官が入ってきました。
あなた、なるべく苦しく、死なせないようにお願い。
拷問官は頷き、女の子を台に縛り付けました。
女の子は叫びました。何が起こるのか分からない恐怖と不安で。
お姉さんは高揚した表情で女の子を見つめていました。
拷問官が先の丸くなった鉄製の器具を持ちました。それを彼女の目にちかづけました。女の子は叫んで叫んで叫びました。
女の子の目に器具が当たり、拷問官がそれを勢いよく押しました。
女の子は叫びました。
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
いやぁ”やめでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ.....
拷問官が持っている器具の上には白い瞳がのっかっていました。
女の子は片方の目から涙を流しています。
お姉さんは頬を赤らめながら、興奮をしています。
女の子はそこから休むことなく拷問を続けられました。
爪をはぎ取られ、髪は引っ張られ抜けて、腕を焼かれ、足の指を切られ、鼻に虫を突っ込まれ、耳に細長い金属の棒を鼓膜の先の先まで突っ込まれ、嘔吐物のようなものを大量に飲み込まされ、胸を圧縮機で潰されるなどの苦しい、痛い拷問の中でも生命力が人一倍高い女の子は狂い死にしそうな痛みを感じるしかありませんでした。
お姉さんは興奮しながら無様に大量の唾液が口から流れ出していることに気が付いていません。
女の子はもがき苦しみ、死んでしまいました。
お姉さんはため息をついて言いました。
あ~あ、もう壊れてしまったのね。でもとっても滑稽だったからいいわぁ。
ふふとっても楽しかったわ。
お姉さんはくるりとターンをし、地下室から出て行きました。
それからその家族は女の子はもともといなかったかのように生活しました。
よく見ると女の子がいない今の方が幸せそうです。
お姉さんはお父さん、お母さんに言いました。
私、リリスと同じ年の女の子を引き取りたいわ
お父さんとお母さんには断る理由がありません。
だってレベッカは恐ろしいほど
可愛くて、美しくて、綺麗で、愛想のいい、自慢の娘なのだから。
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