ツチノコツチノコニョッキッキ(爆発する)
wkwk-0057
最初で最後
辺りは暗くなり冷たい風が今着ている装備越しに撫でる。
食べかけのカップ麺の隣に電卓を添えて、彼女はお経を唱え始めた。
ここで多くの民間人が死んだ。それの供養だ。
なぜって?
テロだ。
異能が溢れたこの世界では常に社会に不満を持った人が暴徒化し、テロを起こす。
誰でもテロを起こせるようになった末路だ。
そこに1人の影が伸びている。
彼女は
「誰だ」
と冷たく言い放つと
「やぁやぁ、新世界の神になる人だよぉー!」
と影の主は言う。
「は?」
意味がわからずにいた彼女は混乱していた。
続けて影の主は
「これは、爪切りはアイデンティティですから新世界を始めましょう!」
そう言いながら街灯に照らされた影の主は
スーツを身にまとい炎が縦横無尽に動いていた。
恐らくの彼の異能だろう。
彼の言動は全て支離滅裂で意味がわからなかった。
彼女は聞き返した
「どういう意味だ?」
すると彼は
「爪切りはありふれた物だ。多くの人の日常品だ。異能もそうだろう?ありふれた"物"になった。異能をアイデンティティとするのなら、私は新世界を作る。誰も死なない、誰も傷つかない。そんな世界を!! もううんざりなんだよ。誰かのせいで人が死ぬのが」
と静かに、されども怒りの籠った声で話す彼。
彼女は冷静に
「その通りかもしれない。だが、私たちに与えられたものは全て意味がある。爪切りだって役割がある。異能だってそうだ。本当の使い方があるはずだ。それを今こうして暴徒やテロリストに教えてるんだ。」
彼は
「無理だよ。ごめんなぁ。もう止まれねぇや。攻撃をしようとした。なら捕まるんだ。だったら最後まで抗うぞ!
俺は!!! 」
そう言い殴り掛かってくる。
それを受け流し腕を掴み、捻り上げ地面に叩き潰す。
腕をかざし彼女は言葉を発する。
「ツチノコツチノコニョッキッキ(爆発する)」
爆発音を背景に彼女は本部に向かって歩き始めたのだった。
あとがき
めちゃムズい。
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