弾丸旅行の巻
先日、野暮用があって新幹線を使って遠出しました。行き先は名古屋、滞在時間は半日の弾丸旅行。
意外と名古屋ってあまり立ち寄る機会がない(地元の方には申し訳ないです)のですが、ほどよい都会という感想を持ちましたね。以前行ったときは時間がなさすぎて観光という観光ができなかったので、あまり街の風景とか見られませんでした。
なので、今回採った方法は。
「地下鉄に乗らないで歩く」でした。
まあ時間と体力の関係もあって一部分だけにはしましたが。だいたい二駅分くらいを、旅費をケチるためにも歩いてみようということに。
スタート地点は名古屋城。
さすが観光名所かつ文化遺産だけあって人は多いし、堀の周りに植えられた木々が街から隔絶した神秘的な気配を醸し出しています。外国の方も大勢いらっしゃって、日本の都会の真ん中ということを一瞬忘れてしまいます。
そこから最寄りの地下鉄まで行き、市の中心街みたいな栄へ下っていきます。この時点ですでに観光客らしき姿をほとんど見かけなくなり、代わりにビジネスマンや家庭用乗用車がひっきりなしに行き交う大通りに景色が変貌していました。
市役所、病院、歩道橋、教会、パーキング。
その中でも変な気付きがあって、たとえば市役所と県庁が近くにあって、建物の格の違いが明確になっていたり。
やなせたかしさんデザインのキャラクターが描かれていたり。
複合施設の掲示板に、先日亡くなられたフランシスコ教皇の写真が貼られていたり。
電柱があまりないことに気付いたり。
月極パーキングの脇にあった、激辛ソースだけを売っている自販機を見つけたり。
いわゆる日常。旅行で行く観光地とは違う世界。電車に乗ることで殺されてしまう風景。
いや、もしくは現地の人々にとっても見過ごしてしまう「当たり前」。
正直、そんな景色を見に行くことも旅行の醍醐味ではないかと私は思うのです。
そんな中で生きている人の格好や荷物、歩き方やスピード、年齢層。
そういうところにも目を向けられると、そこに生きている命との距離感が近く感じて、旅の思い出にもいっそう愛着が湧いたりするのかもしれません。
まあ、私も毎回それができているわけではないのですが……。
こうして平凡に日常生活が送れているのは幸福なことだと、最近の世界情勢を見ていると思います。
なんともきな臭いもので、人が殺されるのが当たり前になっていたり、それを建前や交渉材料にしてあれこれ主張する人がいたり。
何より、紛争が起こることで旅に行ける場所が減っているのが一番弊害な気もします。
旅しかり本しかり映画しかり、自分の外に出て知らない情報に触れて心を動かす体験というのは、実は限られているもの。
そういった機会を潰さないような世界に、なんとかなって欲しいと思います。
少し話は逸れましたが、ともかく、半日の滞在でしたが何とも有意義な名古屋旅行でした。
ぴよりんも買えましたので!
辺境日誌 酢烏 @vinecrow
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。辺境日誌の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます