闇鍋の奥底
稲見 琥珀
第1話 宇宙へ行こう
薄暗い部屋、時計は12時過ぎを回っている。
もちろん午前12時。外は真っ暗だ。
急に相棒がこんなことを言い出した。
「ねぇブラザー、宇宙に行かない?」
宇宙に行きたい、なんて突拍子のない事を言い出しすことはよくあった。けど、何かが違った。
「どこから回ろうか、水金地火木〜って順番に回る?
いや、地球は今いるからいいか」
そうだね、今は地球にいるね。
だけどどうしたの?急に宇宙に行きたいだなんて
「いやぁ、たまたま?なんとなくなくだよ。
ねぇ、一緒に行こうよ」
理由がなくちゃ行かないよ。
「理由、理由かぁ、
あっ!宇宙ってラズベリーの匂いがするらしいよ!」
うん美味しそうだね。
でもそれだけじゃ行きたくないかな
「うーん、あっ!
宇宙って本当はベージュ色なんだって!」
・・・うん、それで?
「えーっとえーっと、
火星には水の流れた跡があって、ピラミッドがある!」
うーん、都市伝説だねぇ
「ところでさ」
「うん、どうしたのブラザー?」
「私の相棒はどこにいるの?」
「・・・ブラザー何いってるの?
私がその相棒でしょ?」
「私の相棒は、私のことをシスターって呼ぶんだよ。
それに、宇宙についてはふわっとしか知らない
大きーとか広ーいとか」
「ちょっと勉強したんだよ!」
それにね
「うん」
私の相棒に、心を読む能力はないよ。
「・・・そっか、人間って心読めないんだっけ」
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