第一章 フリネラアルペン
第四話 魔王って?
目が覚めた。
どこに転生したんだ?
まぁどこでもいい。
さてと、今の魔王を殺しに行くか。
とりあえず魔族っぽいものに話しかけて情報をつかみたい。
それにしても体が軽い。
身長も縮んだのか。
ステータス。
オべリス、18歳。18歳!?
当時の僕は36歳だったはず、転生して若返ったのか。
それに体の肉付きが18歳とは思えないほどいい。
まぁそんなことはいい。とりあえず魔王を殺しに行くか。
今の力がどこまで通用するのか試してみたい。
と、いうよりも、あの遠くにあるいかにも魔王がいそうな城って・・・。
雰囲気も暗い感じだし。魔王城じゃね?
アルバも案外近くに転生させてくれたものだ。
とりあえず、あの城を目指して行くとするか。
城に進んでいくにつれ、ゴブリンやらコボルトに出くわしたので聞いてみたが、
普通に襲いかかってきたので頬をはたいた。
つもりだったが破裂した。力の加減がわからん。
ただ頬を叩いただけなのに、破裂するとは。
加減を覚えないとといかんな。
その後も同じようなことが続き、城門まで辿り着いた。門番に、
「あのー、すみません。魔王に会いたいんですが?」と聞いてみたが、
「あん?なんだお前とっととどっか行け!!」と言われ、
「いや、魔王に会いたいだけなんですが・・・」と言ったら、
「おい!二人で殺すぞ。やれー!!」
と襲いかかってきたので、両手ではたいたらまたもや破裂した。
僕が強すぎるのか魔族が弱すぎるのか。
城門が閉まったままだ。とりあえず城門を上げて中に入りたい。
ステータス。
何かないかな。というよりも、魔物をはたいただけで破裂するんだ。
こんな鉄格子、殴ったら吹っ飛びそう。ま、やってみるか。
おいしょっと!
バッコーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
あぁ、出来てしまった。魔物どもが騒いでいる。そりゃ騒ぐわなぁ。
「あのー、すみませーん!魔王に会いたいんですがー!」
「き、貴様!何者だ!!」
「あ、魔王に会いたいものですー!」
「それじゃ分からんだろー!!」
「えー、そんなこと言われてものー。ただ話ししに来ただけですー!」
「はぁ??おいお前!魔王様呼んで来い!やべぇやつが来たって!」
「分かった!!」
と言ってもう一人のゴブリンが城の奥に遠ざかっていった。
「分かったからとりあえずそこにいろー!」
「分かりましたー!」
なんだろ。不審者が来たみたいなこの感じは。こっちはただ会いたいだけなんだけど。
数分すると魔王らしきスケルトンが来た。
「なんだ、騒々しい!我に会いたいやつとは誰だ!」
「あ、僕でーす!どうもこんにちはー魔王さーん!」
「え、あれなの?我に会いに来たの?すっごいラフじゃない?我魔王なんだけど。」
「魔王様!自信持ってください!あの人間を懲らしめてください!!」
「いやぁ、あれ人間じゃないよ、君たちあの人間の魔力見えないの?それに纏っている凄いの、見えないの??」
「何言ってるんですか魔王様!早くやっつけちゃってくださいよ!」
「えー。凄く嫌なんだけどなぁ。とりあえずそこの人間!ここに何しに来たのー?」
「あーすみませーん!魔王さんに会いに来ただけですー!!」
「えー、ほんとに会いに来ただけなの??まぁとりあえず城に上がりなよー!」
「はーい!お邪魔しまーす!」
案外話せる魔王だな。アルバには一応殺して僕が魔王になれって言ってたけど・・・。魔王な割にフランクすぎて、なんかもの凄く殺す気失せたな・・・。
とりあえず案内されるがまま魔王の玉座の間に案内され、椅子も用意され話すことに。思ってたよりとても親切だな。
「それでなんの用で来たの?」
「ある人から魔王を殺して僕が魔王になるようにって言われてきたんですけど・・・。」
「え、我殺されちゃうの??それだけは止めてくれないかなぁ・・・。」
「あー、はい、なんか良い魔王そうなんで殺すのは止めときますー。」
「はぁとりあえずよかったぁ・・・で、どうしよっか・・・。」
「どうしましょうか?殺すために来ただけなので・・・。」
数秒間シーンとなった。そりゃそうだ。目的なくなっちゃったし。転生した矢先こんなことあるのー??
「あ、それじゃこうしよう!君が魔王になりなよ!我はここら辺で一番強いから暫定で魔王になってるだけだし。それにここの運営厳しいのよ。」
う、運営??凄く現実的になったな。
「えーいいんですか?どこの馬とも知れない人間に任せて?」
「いやいや君の方が強いでしょ!我上位のリッチだけど明らかに君みたいな魔力持ってる人間なんていないよ!魔力というかそれなんなの?その纏わりついている力は??」
あ、スケルトンじゃなくてリッチだったんだ。
「僕にも分からないんですよねー。ここの世界に来たの初めてなもので。」
「世界に来たの初めて??ということは転生者ってことなの?」
「まぁそうですね。転生者よく来るんですか?」
「いやいや!来ないよ!そんなしょっちゅう来るみたいな感じで聞かないでよ!たまに人間の国で召喚するみたいだけど。数千年単位でだよそんなこと。」
「はぁそうなんですね。」
「まぁそれはそれとして。どうだい?魔王になるの?」
どうしたものか。あ、そうだ。もう一つこの世界に来た目的があったんだった。
「そういえば魔王さん、名前はなんて言うんです?」
「我はリッチのルーデン・バッハと申します。気軽にルーデンと呼んでください。君の名前は?」
「僕はくらふ、いや、オべリスだよ。よろしくねルーデン!この世界に来た目的はもう一つあったんだった。」
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