第22話 クレイジー・レイジー・デイジー①

 えっと、なになに。俺は、項目 禁忌の呪文集のページをパラリとめくる。




2…狂気で怠惰な無邪気の呪文


《CRAZY LAZY DAISY クレイジー・レイジー・デイジー》


 使用者は、一定範囲内の対象を狂わせる、もしくは、怠惰か怠け者にさせ、嘘をつけなくさせる。

 気をつけなければいけないことは、自分がかけられると、一日中その効果が適用される。

 眠る、もしくは、反対呪文をかけることで、その効果を相殺そうさいできる。




 なんだよこれ。もし、現実世界で使ったら、どうなる?

 自分だけが、規律正しく行動できるわけだから、頭良くならなくても、相手を制することができるってわけだよな。


 よし、決まりだ。この本をいただこう。


「ライオネルによろしくね」


 俺は、頷くとその城を出て驚いた。


 島全体が浮いている。名古屋ドーム何個分だろうな。


 早速、使ってみるか。


 生到達せいとうたつ……


「ALIVE ARRIVE」










「……豚は牧場にでも行けよ」


 え?ナギサちゃん?これは、夢じゃないんだよな。

 え、本当に生還したのか?

 でもよ、この光景見たことがある。はっきりと、言われたことは覚えている。

 俺は、この後自殺するんだ。じゃあ、もし自殺しなかったら、どうなるんだ?


「魔術超基礎編」は、リュックの中に入っている。


 これ、基礎の魔法なのか?凄すぎるんだが、だって、これ映像じゃないんだろ?全部本物……俺は、生きている。


 急いで、ナギサちゃんを追いかける。


 いや、ちょっと待て。喋らないほうがいいんだよな。初対面の相手といきなり筆談はできないな。となると、手紙?しかしなあ、それもなかなか難易度が高い。どうする?


 あれ?ライオネルの声が聞こえない。もう、喋れないのか?残念だな。


 走り去っていったな。ナギサちゃん。


 このクレイジーなんたら、使うわけにはいかないしな。使われたら、かわいそうだよな。使うとしたら、敵に対してだな。でも、敵ってこの世界にいなくないか?本当にいつ使うんだろうか。


 俺は、大学内を探索して、時間や月日を確認する。それよりも、家に帰るのが手っ取り早いと思ったが、交通費がない……


 どうしたものやら、何か方法はないのか。閉鎖時間までに、見つけないと歩いて帰る羽目になる。


 それだけは、勘弁してほしい。俺の家は、大学からかなり離れており、徒歩で3時間はかかるからだ。


 今日は、講義がなく、帰ってもよかったが、大学内には、食堂がある。


 現在は、時刻は13:32。少しお腹が空いていた。何か、食べたいな。


 しまった。お金がないんだな。リュックに何か入っていないのか。入っていない。どうしたものか。

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