火薬と墨術を封じた魔導帝国に、孤児の少年・劉閑が反旗を翻す。

　封焔大碑に触れて目覚めた記憶と知識を武器に、仲間たちと焔団を結成。

　筆で国を描き、砲で未来を切り拓き、ついに民の王「焔王」として即位する――。

　火薬と筆による革命を描く、中華風建国ファンタジー！

🌎作品概要🌎

　魔法こそ唯一の力――そう定めた魔導帝国が大陸を支配する世界。筆は忘れられ、火薬は封じられた。

　だがその“異端の技”を継ぐ少年・劉閑は、焔寺の記憶と共に立ち上がる。

　かつての王朝が掲げたのは、暴による統治ではなく、筆による秩序。

　それは力に抗いながらも、民と共に歩むための“共生の火”だった。

　寺を焼かれ、すべてを失った閑は、各地を巡る旅のなかで記録の墨術師・文水華や、鍛冶師・鍾葉らと出会い、再び焔を灯してゆく。

　これは、火を武器ではなく盾とし、筆を言葉ではなく制度とする者たちの戦記。

　中華風の戦術、思想と法、火と筆による技術体系で描く――筆で国を築く革命譚、“焔王録”。

👑キャラクター紹介👑

劉閑（リュウ・カン）

　焔団創設者にして、焔王。

　かつて焔寺で筆と火薬術を学び、封焔大碑の記憶を受け継いだ孤児。

　静かで理知的な青年だが、胸には民を導く強い焔を燃やし、火と筆で国を築く道を歩む。

文水華（ブン・スイカ）

　焔王に最初に迎えられた筆の同志。墨術師。

　封印・結界・律術を極め、民の声を法に結びつける知性の柱。

　冷静沈着でありながら、民の痛みに寄り添う優しさを持つ。

鍾葉（ショウ・ヨウ）

　火を守る力を持ち、共に焔を築くために結ばれた砲術指揮官。

　火薬事故の過去を乗り越え、火術教坊を設立し民兵育成にも尽力する。

　豪快で頼もしい性格で、現場の信頼も厚い。

宋嶺（ソウ・レイ）

　後に焔王に仕えた元帝国副将。

　冷静で鋭い戦術家。空を捨て、民の未来を描くため地に降りた。

　外交・空戦・戦略の橋渡し役として焔を支える。

慧玄（ケイゲン）

　墨王朝の理念を守り続けてきた隠者にして教師。封焔大碑の守り人であり、劉閑を導いた人物。

　筆と火薬の真理を学びの道と説き、戦うよりも伝えることを重んじる思想家。

杜昇（ト・ショウ）

　筆吏長。記録官。

　物資・人員・情報の管理を担う縁の下の力持ち。

　誠実で冷静な現実主義者として、焔軍の行政制度を支える。

沈鋭（シン・エイ）

　斥候長。地理情報担当。

　無口で実直な元狩人。地形と敵情を正確に読み、戦場での地の利を引き出す斥候の要。

道銀（ドウ・ギン）

　風水術師。地脈観測士。

　飄々とした語り口ながら、大陸の龍脈を読み、筆と砲を大地と結びつける技術を編み出す。

　焔の「魔法に頼らぬ文明」を築く立役者。

火秋（カ・シュウ）

　元幹部（離反者）。火術士。

　火力至上主義に傾倒し、焔団を離反。

　短絡的な激情家だが、火の理想に純粋だった側面も併せ持つ。

符涼（フ・リョウ）

　筆吏。制度設計者。

　墨王朝の法制を受け継ぎ、民議制度や誓文体系を整備。

　古風だが柔軟な発想も持ち合わせる理知派。

洪潔（コウ・ケツ）

　砲陣指揮官。民兵長。

　農民出身の実直な砲兵指導者。

　焔軍現場を支え、庶民層からの絶大な信頼を得る。

雨婉（ウ・ワン）

　湖麓村の女性民代表。

　民の声を中央へ届ける「風報使」制度を提案した立役者。

　柔和ながら芯のある民代表として、地方と中央の橋渡し役を務める。

凌砲（リョウ・ホウ）

　火術師・火砲開発者。

　理論派の火術士で、火術教坊にて理論教育を担当。

　火を守り、制度に組み込むための術理体系を確立する。

カスラ

　魔導帝国空軍将。虎人族。

　雷系の風魔法を操る「雷の将」として、空の支配を誇ったが、焔軍に敗れ空を失った。

　強大な敵であり、帝国側最大の象徴的存在。

スレイド

　獣人族の若き将校。

　帝国の血統主義に疑問を抱き、焔軍に密かに協力する。

　無骨だが誠実な内面を持つ、新時代への希望の芽。