第5話 呪いのスマホ?
「……もしもし」
僕は恐怖に震えながらも、なぜか電話に出ずにはいられなかった。
もちろん、理由なんてないのに……
『……もしもし?』
しゃ、しゃべり返してきたー!
心臓が飛び出るかと思った!
声の主はおそらく女の人。
それだけでも飛び上がるくらい怖いのに、怖すぎて言葉が出てこない。
『あなた、誰?』
「いやややや(いやそっちが誰だよ?!)」
『は?なに?キモいんだけど……』
なんかすごいディスられたー!
……悪口を言われたことで、なんだか少し冷静になってきだぞ。
『つーか、イタズラ?』
何をいっているんだこの声の主は。
声の主は若めの声質。同年代かな?
オバケじゃないにしても図々しいな。
ていうか、このスマホ壊れてなかったじゃん!
なんかいろいろムカついてきた!
「そっちがかけてきたんですよね?非通知受信して僕は通話ボタンを押しただけです」
『……ちょっと待って……え?何これ……どういうこと……?』
今度はなんだよ……
急に焦り出す声の主。
『え……えぇーー!!』
「ウワッ!!ビックリした!いきなり叫ぶなよ!」
『あたし……電話じゃん……』
言ってる意味が分からない……
もういいや、通話を終えよう。
画面の×マークを……あれ?
×のマークがないや……というより、画面が真っ暗のままだ。
『や、ヤダっ!くすぐったい!どうなってるの?!ちょっと、どこ触ってんのよ!』
さっきから何を言っているんだこの声の主は?
やっぱり画面は死んでるな。電源ボタンを押した方がよさそうだ。
『キャハハッ!やめっ、やめてって、イヤッ!』
………………。
僕はスマホを、表、裏と見て、指でちょんちょんと突いてみた。
『きゃっ!いい加減にして!』
これは……
「スマホがしゃべっている……」
当たり前のことをさも意味ありげに言ってしまった。
でも、これは違う。
このスマホ、触覚があるみたいに反応している?!
「スマホ自身が君なの?……い、いったいどういう原理?!新しいAIの仕様?!」
『ア、アタシもよく分からない……アタシ、電話……スマホになっちゃってる……』
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